ものやサービスの値段は時代によって変わるものです。「高い」「安い」の基準になっている貨幣の価値も時代によって大きく変わります。さまざまな分野のものやサービスの「お値段」を比較してみましょう。 10月1日から消費税率が10%になりました。食料品などの軽減税率をめぐって飲食店や商店などにおける混乱ぶりが大きく報道されましたが、電気は生活上のもっとも重要なインフラのひとつ。 しかしながら、軽減税率は適用されません(ただし一定期間の「経過措置」によってしばらくは8パーセントが適用される場合があります)。そこで今回は電気料金の変遷をざっと概観してみましょう。 ※記事でご紹介するものは主に東京の一般家庭をモデルにした数字です。
さらに、電気機器の普及も大きな要素です。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、クーラーなどの電灯以外の家電製品が一般家庭に普及していくのは、昭和30年代後半になってからのこと。この頃の標準的な4人家族の電力消費量は1カ月280キロワット時がモデルとされていましたが、この使用量で、電気料金は4000円程度かかったようです。
現在より安く感じるとはいえ、給与水準から考えると、家計への負担は現在よりも大きかったかもしれません。
電気料金の変遷を知ると、未来のエネルギーのあり方が見えてくる
この後、電気料金は原油価格の低下などもあって次第に下がっていく傾向にありました。発電所や電柱などのインフラも整備されていったこともあり、平成元(1989)年の標準家庭の電気料金は7000円ほどでした。
ただ一方で、この数十年には家電製品の多様化と大型化、また家庭で使う電化製品の数は増えています。先日の千葉県の台風被害にも見られるように、現在の社会が過去にないほど電気に大きく依存しているのは間違いないところです。
総務省統計局の数字をもとにした4人世帯の月額の電気料金は、2017年で1万1000円ほどという数字があります。季節によっても異なりますが、これは私たちの実感に近い数字といえるでしょう。ただし、クーラーを使いすぎた夏は電気料金がグンと跳ね上がります。請求書に記載された金額がどうしても気になりますね。
現在では電力小売りが基本的に全面的に自由化され、さまざまな企業が電力を販売しており、多くの料金体系を設定しています。また、現在では個人でも電力会社を選択可能で、電気料金を安くする工夫が可能になりましたし、LEDも大きく普及し、電気代削減に一役買っているようです。
電気料金の変遷を振り返ることは、社会、そして未来のエネルギーのあり方を考えることにつながっていることは間違いないようです。
≪記事作成ライター:帰路游可比古[きろ・ゆかひこ]≫
福岡県生まれ。フリーランス編集者・ライター。専門は文字文化だが、現代美術や音楽にも関心が強い。30年ぶりにピアノの稽古を始めた。生きているうちにバッハの「シンフォニア」を弾けるようになりたい。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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