歴史や価値とともに変化する「お値段」⑲ ── 電気冷蔵庫のお値段

2019.09.25

ライフ・ソーシャル

歴史や価値とともに変化する「お値段」⑲ ── 電気冷蔵庫のお値段

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南青山リーダーズ株式会社

ものやサービスの値段は時代によって変わるものです。「高い」「安い」の基準になっている貨幣の価値も時代によって大きく変わります。 さまざまな分野のものやサービスの「お値段」を比較してみましょう。 朝晩はしのぎやすくなってきたものの、日中はまだまだ蒸し暑さが続きます。生鮮食料品を保管するにも、スイカやビールを冷やすにも、冷蔵庫が欠かせません。 昔はスイカやビールは井戸に沈めて冷やしていたといいますが、いまでは四季を通じて電気冷蔵庫なしの生活は考えられないでしょう。 今回は前回の洗濯機に続き、同じ「白物家電」と呼ばれる電気冷蔵庫のお値段の変遷を見てみましょう。

同時に、全国に急速に普及していくこの当時から、冷凍室つきの冷蔵庫が開発されるなど技術革新が進み、新しい機能が加わり、大型化し始めます。

1964年の東京五輪以降、機能も容量も大きく進化

では、1964年の東京五輪以降における電気冷蔵庫の変化をざっと追ってみましょう。徐々にお値段は高くなっていきますが、同時に給与水準も大きく上がっていきます。

【昭和40(1965)年】 5万7800円/容量が大きくなり始める 99リットル
【昭和44(1969)年】 6万3200円/冷凍室を分離した2ドアタイプが登場
【昭和45(1970)年】 6万3500円/一般家庭への普及率が90%を超える
【昭和53(1978)年】 13万9800円/容量200リットル/野菜専用室が加わった3ドア登場
【昭和57(1982)年】 20万1000円容量262リットル/消費電力は10年前の4分の1に
【平成元(1989)年】 28万円/容量400リットル

現在では、4人家庭の標準的な3ドア/400リットルのタイプが十数万円程度でしょうか。500リットル超えと少し容量が大きくなると20数万円程度するようです。ただ、100リットル規模の一人暮らし用の小型冷蔵庫であれば、数万円からあるようです。

お米が主食の日本人の食文化を支えた電気炊飯器

クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

さて、冷蔵・冷凍、そして流通技術の進歩は、日本人の食生活を大きく変えました。季節や地域にかかわらず、一年を通じてさまざまな食材が容易に手に入るようになりました。
ただ、そのような大きな変化の中でも、お米はまだ比較的多くの日本人が食べている食品ではないでしょうか。そんなお米の食文化を支えてきたものが自動炊飯器です。

大正10(1921)年にはまだ自動ではありませんでしたが、かまどの中に電熱を組み込んだ炊飯電熱器が発売されています。2升炊けるタイプは60円でした。かけそば一杯を基準に換算すると、おそらく2万円程度でしょう。

寝ている間に飯を炊こうなんて、とんでもない?

現在の炊飯器につながる自動炊飯器の登場は、昭和30(1955)年のこと。タイマー機能もついていて、好きな時間にご飯が炊けました。6合炊きで当時のお値段は3200円。大卒初任給の3分1ほどです。
発売した東芝の社内には、「寝ている間に飯を炊こうなんて、そんな横着な女のことを考える必要があるのか」という声も上がったといいます。このひとことに、時代性がよく表れていますね。

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