国連の発表によると、世界の人口は毎年約8300万人ずつ増え続けており、2050年には98億人に達すると予測されている。 このペースで人口が増え続けると、近い将来、食肉の生産が追いつかなくなり、重要なタンパク源の肉が食べられなくなる「タンパク質危機」が起きる可能性もあるという。 そうした中、いま国内外で急成長しているのが、食品に関わる課題を先端技術で解決する「フードテック」と呼ばれる産業分野だ。2015年ごろからフードテックへの投資やクラウドファンディングが活発化したのを受け、国内でも関連分野のベンチャーやスタートアップ企業が、肉類に替わる新たなタンパク源の研究・開発に乗り出している。 肉不足の救世主として注目されているのは、果たしてどんな「食べ物」なのか……。テクノロジーの力で将来のタンパク質危機に挑む、日本のフードテック企業の取り組みを2回シリーズで紹介する。
一方、先に紹介した各社の昆虫食は、外観は昆虫の形状を残さず、加工して栄養分だけ生かしているのが特徴だ。見た目の抵抗感を払拭しつつ、ナッツやチョコレートなどを加えて食べやすさも追求。これなら昆虫が苦手な人でも受け入れやすく、栄養満点で美味しいという評判が広まれば、新ジャンルのスーパーフードとして定着する可能性もある。現時点ではタンパク質危機は日本で表面化していないが、将来に向けて各社がどこまで先手を打てるかが、今後の昆虫食ビジネスの競争力と市場拡大のカギとなってくるだろう。
── 次回の《肉に替わる新タンパク源を探せ~2》では、昆虫とは異なるアプローチで将来のタンパク質危機に挑む、国内企業や研究機関の取り組みにフォーカス。さらに、地球から宇宙へと広がるフードテックビジネスの新たな展開と可能性について見ていくことにしよう。
※参考/FAO(国連食糧農業機構)HP、日本経済新聞、朝日新聞
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
20年以上にわたり、企業・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌・各種サイトなどの記事を執筆。長年の取材・ライティング経験から、金融・教育・社会経済・医療介護・グルメ・カルチャー・ファッション関連まで、幅広くオールマイティに対応。 好きな言葉は「ありがとう」。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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