何かと「テック」をつける言葉がやたら目立つが、スポーツにも「スポーツテック」なるものが登場した。果たして「スポーツテック」はスポーツ市場を活性化できるのだろうか。
仕組みとしては、ソールにセンサーをつけ、センサーが収集したデータをスマホに送信する。スマホのアプリがデータを読み取り様々な分析数値をはじき出す。
スポーツテックで見るスポーツを活性化?
スポーツにかかわって市場をつくっている人とは、基本的に自分で行うか、観戦するか、あるいは(主に行う人に)教える、の3つのいずれかに入る。(店舗で道具やグッズを売る場合も、このいずれかの人が最終ユーザーになる)
スポーツテックは、この3つのパターンの人たちを支援するものだが、「教える」人たちにはこれまでにも専門的なテクノロジーが数々使われてきたので、今さら「スポーツテック」と言うこともないだろう。さらに進歩していくのは間違いない。
メジャーリーグ野球で、ビッグデータの解析によって、守備位置を決めるなど、まことしやかに言われたものだが、現実には我々の想像をはるかに超えたテクノロジーの活用が行われているのだろう。
以前も紹介したが、日本と欧米(特にアメリカ)とのスポーツ市場の差は、「見る」スポーツにある。試合への動員、現地でのグッズの売り上げなど、プロ、アマチュア問わずとにかくスポーツの現場への動員が違うのだ。少し乱暴な言い方かもしれないが、野球やサッカーの一部を除き、とにかく日本のスポーツは観客を呼べない。
確かに、日本のトップスポーツであるプロ野球やJリーグを観戦に行っても、ゲームの内容は、テレビを見ていたほうがよくわかるという意見は多い。もちろん、臨場感や現場の雰囲気は何物にも代えがたいものではあるが、試合そのものに没頭して楽しみたい人にとっては、進行や判定がいまひとつ分かりにくい。
ゴルフの試合会場などは最たるもので、今の状況が今一つ分からない。最近でこそスマホアプリを使ってリアルタイムで状況を見ることができるようになったが、まだまだ改善の余地は多い。多くは数か所しかないアナログのリーダーボードを頼りにするしかない。
どの競技にしても、普段なら見たことのないプレーが堪能できるだけに、試合の状況が分かりにくいという理由で現地に呼べないのは、実にもったいない。
リプレイや解説、選手紹介、監督・コーチの動き、さまざまなシーンの切り替えなど、現地で補完することで、楽しみが増えるのは間違いない。
テクノロジーの力による「見るスポーツ」の活性化を望む人は多い。
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