今年(2019年)5月24日、行政手続きなどを原則、電子申請に統一する「デジタルファースト法」が、参議院本会議で可決・成立した。
3年後には国民のほとんどがカードを所有する時代に……?
政府はこうした普及策を打ち出すことで、3年後をメドに1億枚以上のマイナンバーカードを普及させる方針を示している。これが実現すれば、2022年度には「国民のほとんどがカードを所有している」ことになるが……。カードの取得を躍起になって促し、普及すれば暮らしがもっと便利になるという政府の理屈には、マイナンバーの制度自体や安全性への懸念を含め、賛否両論さまざまな意見があるようだ。
一方で海外に目を向けると、行政手続きのデジタル化は日本以上に進んでいる。税務の電子申告の利用率が9割を超える韓国では、国税当局のサイトを通じて医療費や保険料、教育費などが確認でき、それを元にオンラインで控除の申告がワンストップでできるという。
また、IT社会の先進国といわれるエストニアでは、個人番号カードでほぼすべての行政サービスが受けられる「電子政府」を構築。国外の外国人に対しても、ネット経由で行政サービスを提供する「電子居住権」制度を設け、世界各国の1万5000人以上が登録しているという(希望すれば、私たちも登録可能だ)。
もちろん、単に海外の制度と比較するのは難しいが、少子高齢化が加速する日本において、負担と給付のやりくりが年々厳しくなる社会状況を考えると、デジタル化による行政業務の効率化・迅速化は急務といえるだろう。と同時に、社会生活におけるデジタル化の背景には、マイナンバーカードの普及が前提となっていることは間違いない。
これからの時代、マイナンバーカードは信用できない・抵抗があると拒絶する前に、まずはその利便性を享受しつつ、運用に非があれば国民から指摘し、改善を求めていくことも大切なのではないだろうか。
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
20年以上にわたり、企業・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌・各種サイトなどの記事を執筆。長年の取材・ライティング経験から、金融・教育・社会経済・医療介護・グルメ・カルチャー・ファッション関連まで、幅広くオールマイティに対応。 好きな言葉は「ありがとう」。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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