ビジネスの場面だけではなく、あらゆる人生の場面においてバランスがとれている状態は美しく、間違いなくセンスを感じさせてくれるものだ。 ビジネスにおける「バランス」とはなんだろうか。
ビジネスの活動におけるバランスを考える際、参考にしたいのは、ロバート・キャプラン、デビッド・ノートン両氏によって提唱された「バランスド・スコア・カード」だろう。この概念はあまりに有名で、新たな戦略やプロジェクトを起案する際に非常に便利なフレームワークで、日本においても多数のファンがいる。
この「バランスド・スコア・カード」の優れた点は、組織における様々な機能「顧客満足」「従業員満足」「人材育成」「プロセスマネジメント」「プロモーション」「商品開発」などの様々な組織機能が、すべてつながっていることが一目瞭然になり、どこかにボトルネックがあると、それ以外の機能に大きな影響を及ぼし、全体的な組織力の向上にならないことが即座にわかるということだろう。
ゆえに、「バランス」という言葉が使われている。
「財務目標を達成するための顧客満足・顧客体験」「顧客満足を実現するためのプロセス」「プロセスを実現するための人材育成」などの組織機能は、すべてつながっていて、組織戦略、実行戦略を語るにおいて、これらのバランスを欠くことはできない。
ビジネスにおいて、最終的な「財務」的な価値を生み出すには、個人の能力開発、人材開発から顧客貢献までのバリューチェーンが必要であり、そのチェーンをいかにつくりあげるかにかかっているかを再認識させてくれる。
「差別化」や「ブランディング」など、どちらかというと、個性を打ち出す戦略のほうが、一般的な見方かもしれない。何よりも他社に打ち勝つ、商品やサービス、対応力を持つ必要があり、バランスなど言っていられない、という感じだろう。
さらに、一発のイベント的な発想の方が、即効性を期待できる側面もあり、ついつい、こうした「一発案」を提供することばかりにフォーカスしてしまう。
しかし、こうした一発ものの施策であったとしても、それを動かす個人の能力、組織の持つ業務プロセス、商品力は、すべてにおいて密接にかかわっている。どれか一つの機能があれば済む話ではないし、すべてを日々クオリティアップしいていかないと、それらによって生み出される結果も進歩はない。
今一度、自分の成果を生み出すバリューチェーンはどうなっているのか、ボトルネックはないのか、すべてのパートはバランスが取れているのか、バランスを取るための行動計画は立てているのか、じっくり振り返ってみることは大切なことだ。
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