長く続くお城ブームが、いま空前の盛り上がり! その意外な背景と課題は?

2019.04.26

ライフ・ソーシャル

長く続くお城ブームが、いま空前の盛り上がり! その意外な背景と課題は?

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いま、空前のお城ブームにわいている。 “レキジョ”に代表される歴史ブームの到来、『真田丸』『西郷どん』といったNHK大河ドラマのヒット、そして外国人観光客の増加などの要因が重なり、日本古来の美しさを再認識できる場所としてお城が大人気となっているのだ。 2018年末、横浜で開催された“城好き”を対象としたイベント「お城EXPO」には、3日間で延べ約2万人の人が来場した。お城のどこに人々は惹きつけられるのだろうか。今回はお城ブームの実態に迫るとともに、これからの展望と課題についてもまとめてみたい。

お城は、日本にいったいいくつある?

かつて日本には、およそ2万5000ものお城があったといわれている。単に柵で囲っただけの砦のような細かいものも含めれば、4万〜5万もの城があったという説もある。

戦国期から江戸初期にかけては、3000ものお城が一気に築城されたとされている。それが徳川幕府によって170ほどに整理され、さらに明治維新や明治期に発布された廃城令、そして太平洋戦争などで多くが失われることとなった。

現在、築城された当時の姿を残す「現存天守12城」と呼ばれるのは、以下のお城だ(順不同)。このうち5基が「国宝五城」とされ、7基が国の重要文化財に指定されている。
●松本城(長野県/国宝五城) ●犬山城(愛知県/国宝五城)
●彦根城(滋賀県/国宝五城) ●姫路城(兵庫県/国宝五城)
●松江城(島根県/国宝五城) ●弘前城(青森県)
●備中松山城(岡山県) ●丸岡城(福井県)
●丸亀城(香川県) ●伊予松山城(愛媛県)
●宇和島城(愛媛県) ●高知城(高知県)

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お城の分類、名称あれこれ

●復元天守/木造復元天守
上記以外に、古い写真や図面などをもとに、当時のままの天守を忠実に再建したものを「復元天守」といい、このうち材料や工法なども当時のまま忠実に再現し、外観のみならず内部まで復元しているものを「木造復元天守」という。これには白河小峰城(福島県)、掛川城(静岡県)、大洲城(愛媛県)などが分類される。

●外観復元天守
また、復元天守のうち、鉄筋コンクリートなどを使い、現代の工法で再建したものを「外観復元天守」いい、これには名古屋城(愛知県)、岡山城(岡山県)などがあてはまる。

●復興天守
さらに、昔の資料がなかったりして、当時とは異なる天守を再建したものは「復興天守」と呼ばれ、大阪城(大阪府)や小田原城(神奈川県)などがこれにあたる。

●模擬天守
そして、実際はなかった天守を造ったり、別の場所に再建したりしたものは「模擬天守」と呼ばれ、清洲城(愛知県)、今治城(愛媛県)などがこれにあたる。

ひと口にお城といっても、必ずしも昔からの天守が残っているものではなく、現代の工法で復元したものが多い。また、天守などの建物がなく、石垣や土塁の跡だけが残っている城跡も多く存在する。

このようなものを含め、現在見学できるお城は全国に約200城あるといわれている。

そもそも、お城ブームが始まったきっかけとは?

いまのお城ブームは、いったいいつから始まったのだろうか。
ひとつのきっかけと言われているのが、2006年、財団法人日本城郭協会による「日本100名城」の選定だ。翌07年には公式ガイドブックが発売され、同時にスタンプラリーがスタートし、これで多くの人がお城めぐりをするようになった。

次のページSNSやお城アプリの影響で、新たなブームも

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