どうすればセンスある行動や態度を身につけることができるのだろうか。 センスとは行動・態度や結果に表れて初めて「センスがある!」という評価になるのだが、その下にある部分とは何だろうか。何があれば行動や態度に表れるのだろうか。
となると、ビジネスセンスがあるとは、結果、行動に、判断センス、学習センス、これすべてが必要ということになる。
ということは、ビジネスセンスというのは、学びから結果までのすべてのプロセスを指すことになるのだろうか。
単に何かの知識を得たからといって、単に何かの戦略を選択できたからといって、これまでとは違った行動をしたからといって、たまたまいい結果を出すことができたからといって、急に「ビジネスセンスあるねー!」とはならないということだ。
コミュニケーションセンス
センスとは何かを考えるとき、避けては通れないのがコミュニケーションスキルだ。
結局、孤高のアーティストでもない限り、誰も一人で仕事をすることはできない。仕事はコミュニケーションで成り立つ。そして、ビジネスセンスのありなしの評価も相対的なものであり、個人の主観で言われるものだ。そうなると、相手を心地よくし「にこやかに」仕事を終える必要があるわけだ。
ビジネスセンスに近い言葉で、「あいつ、わかっている」的な言葉がある。何も言わなくてもやるべきことをやってくれる、仕事にそつがない、でしゃばらず立場をわきまえている、というときによく使われる言葉だが、コミュニケーション力を表しているといってもいいだろう。
スティーブン・R・コヴィー(「7つの習慣」著者)のコミュニケーションの原則の中に、「コミュニケーションのトラブル、ギャップというのは、原則的にその人に対する期待とその結果のギャップによる」というものがあるが、ビジネスとは、基本的に「期待」に対する「解決」以下でも以上でもない。
「期待」と「解決」のクオリティが一致、あるいは「解決」のほうが大きければビジネスは成功するし、逆の場合は、次はない。期待の中には、もちろん「プロセス」「コスト」「人格」「信頼性」も含まれる。
コミュニケーションが難しいのは、「期待」は人によって異なるし、時間とともに常に変化するし、環境と状況によって判断は変わるということだ。つまり、毎回、「期待」を正しく理解しなければならない。
また、相手の期待も対象者によって異なるから、自分に対する期待も理解しておかなければならない。役員がもつ期待は、部長に対する期待と係長に対する期待は違うのだ。
そういう意味では、固定観念にとらわれてもいけないが、日ごろから自分のビジネスポリシーやビジネスにおける価値観を整理し、表明しておくことも必要かもしれない。
ビジネスセンスの第一歩は、自分の立場を認識したうえで、「期待」を理解することなのだろうか。
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