消費者の健康志向・安全志向の高まりとともに、オーガニック食品への注目が高まっている。 さまざまなアレルギーやウイルスに悩まされている現代人にとって、「何を食べるか」は非常に大きな問題なのだ。 もっとも、欧米諸国では一般的になりつつあるオーガニック食品も、日本ではまだまだ“ニッチ”マーケット。しかし、最近は日本国内においてもオーガニック食品への見方も変わってきているようだ。そこで、いま注目されるオーガニック食品市場の展望を探ってみよう。
オーガニック宅配大手のオイシックス、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会の3社が経営統合し「オイシックス・ラ・大地」を設立。有機・無添加食品、ミールキットの通信販売を加速させている。
【理由4】食品以外にも、オーガニック系が広がっている
オーガニックは食品だけでなく、衛生用品や日用品などにも広がっている。
ユニ・チャームは、日本で初めてオーガニックコットンを使用したおむつ「ナチュラルムーニー」を発売。生まれたばかりの新生児や乳児の肌に優しいおむつとして、母親や助産師らからの支持を集めている。
アース製薬は、オーガニックな衣類防虫剤「natuvo」を発売。オーガニックスペアミントにアロマをブレンドした、天然成分100%の防虫剤だ。子供や肌の弱い人、薬剤に敏感な人も安心して使える防虫剤として注目されている。
これら体に優しいオーガニック製品は、食品への垣根も低くしていると言えるだろう。
【理由5】外国人観光客が増加している
オーガニック食品が一般的になっている欧米からの観光客が増加していることも、国内の市場拡大に影響を与えている。今後の市場の伸びは、2020年がきっかけとなりそうだ。
東京五輪がオーガニック食品市場拡大の大きな契機に
オーガニック食品市場は、今後どのように成長していくのだろうか。
市場拡大の契機となりそうなのが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックだ。
東京五輪に出場するために来日する選手への料理はもちろんのこと、欧米からオリンピック観戦に訪れる外国人観光客の増加がオーガニック食品市場に与える影響は大きそうだ。
来日インバウンドを狙って、2020年にオーガニック食品を扱う店舗が一気に増える可能性がありそうだ。当然、2020年以降もその影響力は残り、オーガニックの手軽な加工食品やオーガニックレストランなど、消費者のオーガニック食品需要が急速に増加すると見込まれている。
矢野経済研究所は、2022年には国内オーガニック食品の市場規模が2017年比110.0%の1964億1000万円になると予測している。
観光立国に大きなオーガニックビジネスのチャンス
日本はいま観光立国を目指し、2018年の訪日客数は3119万2000人となった。消費額は4兆5000億円(速報値)となり、いずれも過去最高となっている。2020年は訪日客数4000万人、消費額8兆円を目指している。
外国人にとって、すでに和食はヘルシーというイメージが出来上がっている。その和食にオーガニック食品を使うということになれば、さらにヘルシーなイメージは強固になるはずだ。訪日する彼らをもてなすために、和食とオーガニックを組み合わせ、ヘルシー志向を強めていくことで、国内のオーガニック食品市場はさらに拡大していくことになるのではないだろうか。
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