10日で100億円還元を果たした、PayPayキャンペーン騒動の顛末

2019.01.07

IT・WEB

10日で100億円還元を果たした、PayPayキャンペーン騒動の顛末

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南青山リーダーズ株式会社

PayPay(ペイペイ)……。まるでパンダの名前のようなキーワードが、初冬の街に旋風を巻き起こした。 それは、ソフトバンクとヤフーが共同で設立した、スマホによる決済システムの新会社PayPayの大型還元キャンペーンだ。当初は4ヵ月にわたる予定のものだったが、わずか10日で終了となってしまったこのキャンペーン。いったい何が起こっていたのか……、今回はその顛末をのぞいてみよう。

こうしてみると、今回のPayPayキャンペーン騒動、果たして成功だったのだろうか。それとも失敗だったのか。立場によって判断は分かれるところだ。

期間中サーバダウンが起こったことや、キャンペーンがあまりにも早く終わったこと、またその告知の際に混乱を来たしたことなどで、ソフトバンクへの批判は結構大きい。イメージダウンはまぬかれない。しかし、それを差し引いても、誰も知らなかったPayPayという会社は、これで一気に知名度を上げた。QRコード決済会社ではいちばん知られるようになった。ソフトバンクの思惑は、ほぼ期待どおり成されたといっていいのではないだろうか。

アプリでの決済が、市場に普及するきっかけに?

消費者の側からすれば、ほとんどの人は今回のキャンペーンには乗り遅れたが、ソフトバンクのことだから、また何か新しいキャンペーンに打って出てくるかもしれない。それならば、とりあえず登録をしておこうというユーザは少なからずいるはず。
それと同じくらいソフトバンクにとって有意義なのは、今回の騒ぎでPayPayに加盟したいという小売店が一気に増える可能性があるということだ。

PayPayでは今後3年間は加盟店の決済手数料は無料にすることを打ち出している。ここが大切で、これまで楽天やアマゾンに一方的にしてやられていたスマホ決済分野で、加盟店を一気に増やすことができれば、一矢報いることができそうな気配である。結局のところ、“ソフトバンクしてやったり”という感じであろう。

それよりも、もっと大きな意味で注目したいのは、今回の騒動をきっかけに、中国や韓国ではすでに当たり前となっているキャッシュレス決済が、日本でも一気に広がる可能性が出てきている点だ。アマゾンや楽天などの先行会社にとっても、全体のパイが大きくなることはいいことだ。新しいショッピング・スタイルがいよいよ日本に定着するかもしれない。

≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、昨春退職。現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。

【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp

【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/

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