皆さんは今年(2018年)1月に施行された「休眠預金等活用法」をご存じでしょうか。 これは、2009年1月1日以降の取引から10年以上取引がない銀行口座、いわゆる「休眠口座」の預金(休眠預金)を、民間公益活動の費用に活用するという制度です。つまり、2019年1月1日より対象となる休眠口座が発生し、その預金の運用が始まることになります。 これを受けて、巷やネット上では「今後、銀行口座を10年以上放置すると預金がなくなってしまうの?」「休眠口座の預金は没収されるの?」……といった不安の声が、にわかに広がっているようです。そこで今回は、この機会に知っておきたい「休眠預金等活用法」の仕組みとともに、休眠口座に関するさまざまな注意点について見ていくことにしましょう。
ただし、金融機関によっては休眠口座に管理手数料がかかる場合もあり、残高不足などで手数料の引き落としが不能になると、自動的に解約されてしまうこともあります。いずれにしても、その口座をもう使わないのであれば、早めに解約しておいた方がいいでしょう。休眠口座の引き出し・解約の際には、通帳や登録印鑑、本人確認書類などのほか、引っ越しや結婚で住所・姓が変わった場合は、公的な書類が必要になる場合もありますので、まずは各金融機関に問い合わせてみてください。
(※注)今回の制度の対象にはなっていませんが、2007年9月30日以前(郵政民営化前)に預けた現・ゆうちょ銀行の定額郵便貯金・定期郵便貯金・積立郵便貯金は、満期後20年2ヵ月を経過しても払い戻しの請求がない場合、旧郵便貯金法によって権利が消滅するので要注意です。
口座の休眠防止対策として「通帳記帳」は有効?
もちろん、当該口座で新たに異動(取引)があれば、その日以降の10年間は休眠口座になりません。ただし、金融機関によって取引とみなす「異動の定義」が異なるため注意が必要です。
たとえば、お金の入出金(利子を除く)や第三者による支払請求などの取引は、全金融機関共通の異動事由に当たりますが、通帳への記帳については異動扱いにならない金融機関もあります。つまり、通帳に記帳するだけでは異動に当たる取引とみなされず、知らない間に休眠口座扱いとなってしまう可能性があるのです。各金融機関のホームページには「休眠預金等活用法に係る異動事由」として、預金商品ごとに異動の定義が詳しく掲載されていますので、不安があれば確認しておきましょう。
休眠口座をつくらないために心がけたい「3対策」
いつでも払い戻せるとはいえ、いったん休眠口座になってしまうと、引き出しや解約に面倒な手続きが必要になるだけでなく、場合によっては管理手数料を差し引かれる可能性もあります。うっかり忘れて休眠口座になってしまうのを防ぐためにも、以下の3対策をしっかりと心がけ、スッキリ&スマートに口座を管理したいものですよね。
【休眠口座をつくらないための3対策】
《1》使わなくなった口座はすぐに解約する
《2》口座は必要最低限の数にしぼる
《3》住所や姓が変わったら必ず変更届を出す
また、長期間使っていない口座はないか、引き出しの奥で眠っている通帳はないか、ひとつにまとめられる口座はないか……など、この機会にあらためてチェックしておきましょう。子どもの頃に親がつくってくれた口座や、学生時代・結婚前に使っていた口座が、そのまま放置されているケースも多いようですので、思い当たる方は一度確認してみてください。もしかすると、ちょっとしたお小遣いになるプチ預金が見つかるかもしれませんよ。
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