少し気の早い話になるが、2019年のゴールデンウィークは、連続して10日におよぶ異例の大型連休になることが決まった。 「働き改革」の四文字が流行り言葉のようになっている昨今、働き過ぎといわれている日本人にとって、国が認める公休が増えれば気兼ねなく休めていいことずくめのような気がする。 しかし実際には、業種や職種によって、大きな試練が待ち受けているケースもありそうだ。その悲喜こもごもの事情を、様々な角度から検証してみた。
【病院の外来診療が止まる?】
病院の診療は休日体制になるといわれている。入院患者のためのケアは休日出勤の医師や看護師が対応するが、外来は10日間も診療を見合わせる可能性がある。急病の患者は休日診療として対応されることになり、専門医が不在になっている可能性もある。外来診療がないとすれば、慢性病の患者などは、連休前に外来に殺到し、いつもよりも余分に薬を処方してもらうなど、混乱が起こることが予想される。
【市役所機能も休日体制になる?】
市役所もまた休日体制となる。結婚や死亡などの戸籍関連の届け出、税金や年金などの各種手続きなど、市民生活を円滑に進めるための機能が一時的にマヒする可能性がある。現在各自治体では、混乱を未然に防止するための対策を練っているところだという。
【株の売買が止まる?】
証券会社や株式市場も、連休中取引を中止する予定だ。毎日秒単位で取引している株が、10日間も売買停止というのは異例の事態だ。たとえば、その間に海外で大きな株の変動があったとしても、国内ではそれをじっと見ているしかない。売るに売れず、買うに買えない事態がしばらく続くことになる。投資家の損失が膨大な額に膨らむ可能性がある。
【銀行の窓口業務が止まる?】
銀行は窓口でのやりとりがすべて止まり、夜間金庫やATMでお金を出し入れすることになる。ただ、ちょうど4月の月末にかかっていることもあり、このままでは混乱は必至として、連休中1~2日窓口を開けるかどうかについて、銀行間で現在話し合いがもたれているという。いずれにしても大手銀行で足並みをそろえることが必須だ。
【学校授業への影響は?】
学校もまた大きな影響を受ける。教師は公務員なので基本的には休みをとるのだが、10日間も授業が止まれば、カリキュラムの進行に影響が出るのは必然。休んだしわ寄せが、休み明けの授業に無理を強いる可能性がある。また、子どもたちは入学したり進級したりしてまだ1ヵ月足らずで、連日の休みに入るので、せっかく授業や級友になじんできたにもかかわらず、また振り出しに戻ることで落ち着いた学習に支障をきたす可能性がある。
【業種によっては過酷な労働も?】
旅行業や大型の小売店、レジャー施設などにとっては、売り上げアップの好機と、先ほど述べたが、いまSNSなどでは、そこで働く従業員の嘆きが話題になっている。旅行会社の窓口は連休前からとんでもなく忙しくなることが予想され、残業が増えることは確実。また、百貨店やアウトレットなどでも大混雑が予想され、売り場に立つ従業員は連日客の対応に追われる。テーマパークなども同様だ。それこそこれまで経験のないような過酷な労働になる可能性もある。つまり、千載一遇で企業は儲かっても、そこで働く人々は疲労困憊という事態が待っている可能性がある。そんな嘆きが、今からSNS上で叫ばれているのだ。笑える話ではない。
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