飲食店に予約を入れたにもかかわらず、当日になっても連絡なしに来店しない……いわゆる「無断キャンセル」が社会問題化している事態を受け、ついに国と業界が本格的な対策に乗り出した。 経済産業省は今年(2018年)11月1日、関連省庁や業界団体、弁護士らが参加する有識者会議での議論をまとめた「No Show(ノーショー:飲食店の無断キャンセル)対策レポート」を発表。レポートでは「店舗は無断キャンセルした顧客に損害賠償を請求できる」との指針に基づき、キャンセル料の具体的な算定基準を提示。レポートの指針に法的な強制力はないが、業界初の統一見解として飲食店での活用・普及を呼びかけ、消費者にも理解を求めていく方針だ。 そこで今回は、飲食店における無断キャンセルの現状とともに、私たちも知っておきたい指針のポイントを詳しく見ていくことにしよう。
無断キャンセル防止に向けた現場の取り組みと消費者の心得
さらにレポートでは、無断キャンセル防止に向けた店側の取り組みとして「顧客がキャンセル連絡をしやすい仕組みの整備」「キャンセルポリシーやキャンセル料の目安を明示」「事前決済や預かり金徴収などの導入」「顧客の情報・予約管理のIT化」の必要性を指摘。
消費者に対しても「行けないことがわかった時点で、店側に必ず連絡してほしい」と要望し、無断キャンセルがなくなれば、飲食店や従業員だけでなく、消費者への利益還元にもつながると言及している(図表参照)。
── 以上、民間連携による「No Show対策レポート」の指針について見てきたが、皆さんはどう感じただろうか。
先述したように、レポートの指針には強制力がないため、実際にキャンセル料の徴収がどこまで定着するのかはわからない。ただ、キャンセル料のあるなしにかかわらず、無断キャンセルは「社会的なルール違反」であり、「社会人として客として恥ずべき行為」であることを、私たち消費者は十分に認識する必要があるだろう。
とくにこれからのシーズン、クリスマスや忘・新年会で飲食店を予約する機会も増えるが、無断キャンセルだけは絶対に避けたいものである。
※参考/経済産業省HP
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
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【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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