世界を見渡せば、食べるものがなくて飢餓に苦しむ子どもたちがたくさんいるというのに、日本は飽食の時代、もの余りの時代といわれている。 ユニセフの報告によると、世界の飢餓人口増加は続いており、その数は2017年に8億2100万人にのぼり、全世界の子ども9人のうち1人が飢えに苦しんでいることになる。 しかしご存じの通り、国内では品質に問題があるわけでもないのに、捨てられてしまう食品が膨大な量にのぼっている。そんな中、こうした無駄な食品ロスを解消するための〈食品ロスアプリ〉が最近登場し、多いに注目を集めている。〈食品ロスアプリ〉とは、いったいどんな仕組みなのだろうか。調べてみた。
〈食品ロス解消アプリ〉が抱える課題
商品を提供する側、消費者、そしてサイトを運営する仲介業者、それぞれにメリットの大きい食品ロスアプリだが、実のところ、課題も多い。
メーカーや小売店にとっては、そもそも余剰商品の処分なので、提供する商品が多いということはそれだけ生産見込みの失敗を裏づけていることにもなる。つまり、決して業績アップにはつながらず、なるべくなら提供商品を減らしたい市場なのだ。そして、当然ながら、各企業の売れ行き絶好調の商品はこのアプリには登場しにくい、という現実もある。
消費者側にとっても、安く購入できるというメリットはあるが、そもそも企業側からは余剰商品の提供なので、本当にほしいものが手に入るかどうかは吟味する必要がある。
また、提供する側は流通コストをなるべくかけたくないので、お弁当や惣菜などでは、消費者側が店頭に出向いて商品を受け取るケースが圧倒的に多い。その場合、交通費などを上乗せして商品価格を考えなければならない。
── ここまで説明してきたように、まだまだ課題も多い〈食品ロス解消サプリ〉。
だが、最初にも述べたように、世界中で食糧難が叫ばれている折、日本だけがのうのうと食品を捨てていいはずもない。そうした甘えは当然これから先、長く続くはずはないのだ。
次の子どもたち世代のためにも、食品ロスなどムダなコストは削減されていくのは当然の流れとなる。私たちも、ぜひこの改革に参加していきたいものだ。
≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、昨春退職。現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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