飼い主の高齢化でペット減少するも、堅実に拡大し続ける「ペットビジネス」

2018.11.09

ライフ・ソーシャル

飼い主の高齢化でペット減少するも、堅実に拡大し続ける「ペットビジネス」

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南青山リーダーズ株式会社

ペットブームが続いている。 街を歩けば実に多くの犬を連れて散歩している人とすれ違い、裏路地には猫がのんびり昼寝をしている風景によく出会う。猫がまったり街中を闊歩する姿は平和の象徴のようにも見えるが、そのペット周辺には、さまざまなビジネスが繰り広げられている。 日本では犬・猫ともに1000万頭近くがペットとして飼育されているといわれ、ペットフードやペットサロン、動物病院などに代表されるペットビジネスもその規模を安定的に拡大している。 今回は日本のペット事情をひも解き、それに伴うペットビジネスの現状について探ってみよう。

ペットビジネスの市場規模は安定成長


日本のペット関連市場は、2016年度は1兆4683億円程度(矢野経済研究所調査)と見られている。
その内訳はフード類が約3割、ペット用品が約2割、生体販売、ペットサロン、医療、保険などのサービスが残りの5割を占める。
おおむね年率1%程度で安定的に成長してきており、国内市場が縮小する中でも有望な市場だといえるだろう。

ペットビジネスは「ペット共生生活産業」ともいわれ、飼い主の需要の広がりとともにその規模を拡大してきた。「ペットは家族の一員」という考え方が一般的になり、サービスのラインアップもまさに「ゆりかごから墓場まで」へと広がっていることが、市場を活性化させる要因のひとつになっている。

また、ペットは家畜と違い、人間が食べるものではない。人間の食に直結する市場ではないために、商品やサービスにかかる規制が少ない。これが新規参入のハードルを下げている。異業種から参入する企業も多く、それも市場拡大を推し進める要因になっているのだ。

最新ペットビジネスはここまできている

ペットのトリミングなどの美容業務を行ったり、ペット向けホテルとしてペットの一時預かりを行う「ペットサロン」(第一種動物取扱業者の保管業種)の数は、約2万4000店(2015年)。全国的に増加傾向にある。

また、2015年のペット保険保有契約件数は106.5万件(富士経済調べ)で、加入率は全体の5.3%となっている。この加入率はスウェーデン80%、イギリス20%などといわれ、欧米での加入率が高い。今後、日本でも伸びる可能性が高い業界といえる。
ペットビジネスは、人間に対するサービスと同じように、実に多岐に渡る分野で新しいサービスが生まれているのだ。

実際にどのような新しいペットビジネスがあるのかを見てみよう。

●完全オーダーメイドのペットホテル
宿泊中のペットの予定を完全オーダーメイドで作成することができるホテル。散歩の回数や時間、ごはんやおやつの種類やタイミングなど自由に設定し、スケジュールを決められる。完全個室のスイートルームもあるし、宿泊中のペットの様子をメールで配信するサービスもある。

●ペットのための信託サービス
飼い主が亡くなった場合、その遺産を飼っていたペットのために使うというもの。遺産の一部を管理会社に信託し、そこからペットの飼育にかかる費用を支払う。

●老犬ホーム・老猫ホーム
介護が難しい大型の老犬や老猫を預かるサービス。

次のページ家族化と高齢化がカギになる、今後のペットビジネス

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