ストローをきっかけとして、世界的な環境問題として関心を集めているマイクロプラスチックごみ。 コスト、資源、環境汚染、健康への影響など問題は山積みですが、地球の未来のために、美しい海を守り続けるために、なんとかしなければならないという思いが人々を動かしています。 マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題は地球規模の課題であり、早急に検討しアクションをとらなければなりません。一人あたりの使い捨てプラスチックごみの量が世界で2番目に多いとされた日本でも、さまざまな取り組みが始まっています。各国が解決に向けて進む中、現段階での日本における対応についてお知らせしておきましょう。
このような循環型のしくみが日本に当てはまるかどうかわかりませんが、成功している国があるのであれば、手本として学ぶことは多いと思われます。
「世界の都市ランキング3位」からわかること
民間のシンクタンク「都市戦略研究所」が発表する「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」によると、日本は2018年で3年連続の3位という結果でした。
3位に甘んじている理由は、「経済」、「研究・開発」、「文化・交流」、「居住」、「交通・アクセス」の5つの分野では高めのポイントであるのに対し、「環境」において大きく順位を落としているためです。
日本のプラごみ対策や温室効果ガス排出削減など、環境問題への対応が遅れていることは明らかで、世界的な評価の低さが表れています。
ある街頭インタビューで海外からの旅行者に日本の感想を尋ねたところ、その多くがプラスチックバッグ(レジ袋)の過剰供給を口にしていました。何かひとつ小さなものを買っても、どこのショップでも当然のようにレジ袋に入れて渡されることに旅行者は違和感を感じているようです。そして、「レジ袋が有料でないことが信じられないし、必要かどうかを聞かれないことが不思議でならない。日本は環境問題に対して後進国並みだ」と言葉を継ぎます。
コンビニや自販機が当たり前に設置され、プラスチック製ストローをまだ提供している店舗が多い日本。私たちは利便性の高い生活を送っている代わりに、気づかぬうちに日本をプラスチック天国にし、プラスチックごみを過剰に排出、ひいてはマイクロプラスチックごみを大量に生産していたのかもしれません。
日本政府や自治体の取り組みは
G7サミットで「海洋プラスチック憲章」に署名しなかった国、というレッテルを貼られてしまった日本は、環境NGOなどから批判を浴びていました。環境省はその汚名を返上しようと、憲章以上の数値目標を盛り込む方針を示していましたが、2018年10月19日、「プラスチック資源循環戦略」の素案が次の通りまとめられました。
「プラスチック資源循環戦略」の素案
■小売店のレジ袋の有料配布を義務化し、使用量を2030年までに25%削減する
■バイオマス原料のプラスチックを2030年までに年間200万トン導入する
■すべてのプラスチック製容器・包装について2030年までに6割を目処にリサイクルかリユースする
■プラごみの焼却熱を2035年までに100%有効利用する
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