いま日本で加速する「キャッシュレス社会」の光と影《Part.1》

2018.10.30

ライフ・ソーシャル

いま日本で加速する「キャッシュレス社会」の光と影《Part.1》

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南青山リーダーズ株式会社

いま日本で、現金を使わない「キャッシュレス化」が急速に進んでいる。 つい数年前までは、クレジットカードや電子マネーが使えない店も多かったが、いまや日常の買い物や支払いは、ほとんどキャッシュレスで済んでしまう。筆者自身、とりあえず財布に現金は入っているものの、ここ最近はまったく使った覚えがない。 ただ、海外と比べると日本のキャッシュレス化はまだまだ遅れており、近年のインバウンド増加や慢性的な人手不足などを受け、さらなるキャッシュレス決済の普及・拡大が急がれている。そこで今回は、国内のキャッシュレス決済の現状とともに、現金を使わない社会のメリット・デメリットについて考えてみたい。

また、外食大手の「ロイヤルホールディングス」が2017年11月にオープンした「ギャザリングテーブルパントリー(東京都中央区)」は、日本でまだ珍しい「現金お断り」のカジュアルレストランだ。客は席のタブレット端末をタッチして注文、支払いにはクレジットカードか電子マネーしか使えない。この「完全キャッシュレス」の導入により、閉店後のレジ閉め業務(現金と売り上げ伝票の照合)の手間が大きく軽減し、従業員の労働時間短縮にもつながっているという。

ついに「電子お賽銭」を受け付ける神社も登場!

一見、キャッシュレスとは無縁と思われる場所でも、電子マネーの導入が始まっているようだ。
東京都港区の「愛宕神社」では2014年から、1月の仕事始めの日に電子マネー「楽天Edy」でのお賽銭(さいせん)を受け付けている。使い方は通常の電子マネーと同じ。拝殿前に置かれたテンキーで希望の額を入力し、リーダーにカードをかざせばOK。金額は1円単位で指定でき、完了すると小銭を投げ込む「シャリ~ン」という決済音が鳴る。

この電子お賽銭は楽天の実験的な取り組みだが、お賽銭の硬貨を管理する神社にもメリットは大きい。金融機関に大量の硬貨を持ち込むと、それ相当の手数料を取られるからだ。同神社では「参拝客からの浄財を目減りさせていいのか」という思いもあり、楽天の提案で導入に踏み切ったという。お賽銭をあげる音がデジタルチックな決済音というのは、ちょっと寂しいような気もするが(笑)……皆さんはどう感じるだろう。

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── 以上、国内で急速に進むキャッシュレス化について、筆者の実感や具体的な事例とともに見てきた。とはいえ、先述したように日本のキャッシュレス化は、国際的に見ると大きく遅れているのが現状だ。東京五輪などに向けたインバウンド需要の増加や、深刻な人手不足・人件費高騰に対応すべく、政府や各業界ではさらなるキャッシュレス決済の普及・拡大を急いでいるが……。その一方で、メリットばかりが強調されるキャッシュレス化については、意外なデメリットや懸念すべき点を指摘する声もあるようだ。
次回の《いま日本で加速する「キャッシュレス社会」の光と影 Part.2》では、海外のキャッシュレス事情や普及に向けた政府などの取り組みとともに、キャッシュレス社会がもたらす課題・デメリットについて考察する。

※参考/経済産業省HP、朝日新聞

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。

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