自動運転車とは、AIが周りの状況を把握し、人間の代わりに運転する技術をもった車のこと。 この自動運転システムの開発競争が、既存自動車メーカーだけでなくソフトウェア会社なども巻き込み、激化しています。 「車が動いているのに、運転席すらない──」。こうした未来型技術はすでに実用化されており、また一般車より先に、トラックなどで無人運転の実用化へ向けた検証が始まっています。これは社会問題化する運送業の人手不足や、地域の高齢者の移動手段の解決策として、移動サービスの高度化が必要不可欠だから。今回は、最近話題のトラックの自動運転の“いま”をお伝えします。
ここでいう「トラックの隊列走行」とは、1台目のトラックにのみドライバーが運転し、2台目、3台目などの後続車両はドライバーなし(無人)で走行するというもの。先頭車と後続車は、自動走行システムで電子的に連結され、隊列を組んだ後続車は自動制御され、走行していきます。
アクセルやブレーキなど挙動情報から位置情報まで個々の自動車が持つ膨大なビッグデータや、革新的なAI技術を掛け合わせたものが自動運転技術であり、最初は時間、場所の限定的なサービスだとしても、そのエリアは少しずつ拡大されていくでしょう。
高速道路でのトラック隊列走行は、早ければ2022年の商業化を目指し、2020年に高速道路(新東名)での後続無人での隊列走行を実現する目標を掲げています。
自動運転化によって、産業構造が変わる?
こうしたトラックの自動運転化に向けた開発は世界中で始まっており、たとえばフォルクスワーゲングループは、去る6月25日に自動運転トラックが隊列走行を行い、積荷を届ける実証実験をドイツで開始したと発表。
また、ボルボは9月13日、運転席のない自動運転EVトラックコンセプトカー、「ベラ(Volvo Vera)」を発表しています。既存の自動車メーカーだけでなく、ソフトウェア開発会社やスタートアップ企業なども参入し、無人輸送の実現に向けて動き出していることがわかります。
2020年までに次世代都市交通システム(ART)が稼働!
日本では2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、BRT(バス高速輸送システム)に自動運転システムを搭載した「次世代都市交通システム(ART/Advanced Rapid Transit )」をオリンピックの会場周辺(東京臨海部)で2020年までに運行すると、経済産業省が発表しています。
●すべての利用者に利用しやすい新しい公共交通システムを構築
●ARTの核となる要素は、走行安全、客室内安全、渋滞緩和、CO2削減と速達性、快適性、定時制を両立させるための自動運転技術である
●2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を重要な一里塚とする
内閣府の主導の下、内閣官房、警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省が連携した自動走行システムへの取り組みによって、まずは東京臨海部エリアにてARTが稼働することになりますが、経済産業省のHPでは以下の「ありたい姿と具体的な成果イメージ」を掲げています。
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