歴史や価値とともに変化する「お値段」⑧ ── 郵便料金

2018.10.01

営業・マーケティング

歴史や価値とともに変化する「お値段」⑧ ── 郵便料金

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南青山リーダーズ株式会社

ものやサービスの値段は時代によって変わるものです。「高い」「安い」の基準になっている貨幣の価値も時代によって大きく変わります。 さまざまな分野のものやサービスの「お値段」を比較してみましょう。

東京から横浜への郵便料金は700~800円程

全国どこからでも手紙を出せ、均一料金(前納)を徴収する制度が採り入れられた明治4(1871)年。その年には、48文(もん)、100文、200文、500文の4種類の切手が発売されます。これは切手の中で最も小さいサイズで、現在も高値で取り引きされる「竜文切手」。切手マニア垂涎のプレミア品としても有名ですね。

当初は全国均一料金ではなかったものの、東京から横浜へ一匁(もんめ/当時の計量単位で約3.8グラム)の手紙を出すために48文の切手が必要だったとされます。当時のそば一杯のお値段が16文ほどでしたから、48文を現在の物価に換算すると700~800円ほどでしょうか。結構なお値段だったことがわかります。

葉書の発行は明治6年から

クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

その後、国際郵便の制度が始まり、郵便の運搬手段も鉄道や自動車が利用され、郵便制度は社会に必要不可欠な制度になっていきます。

そして明治6(1873)年に葉書が発売されます。この頃、郵便料金の単位に「銭」が用いられたことで、半銭と1銭の葉書が発行。お値段が手頃になったことで、コミュニケーション手段として広く普及していくことになり、ます。

その後、明治33(1900)年に郵便法が制定され、私製はがきの販売が認められたことで絵葉書のブームが起こり、日露戦争の戦況が日本に有利だったこともあいまって、紀年郵便絵葉書も発行され、好評を博します。驚くべきは当時、通常郵便物の数が昭和初期に50億通にも達している点です。

ちなみに日本最初の記念切手の発行は、明治27(1894)年のことで、明治天皇の大婚25周年を記念したもの。お年玉付き年賀葉書の発行は、太平洋戦争後の昭和25(1950)年に始まりました。
昭和24年(1949)には、郵便葉書の料金は2円、手紙は8円でした。翌々年には葉書が5円、手紙が10円の時代になりました。その後もたびたび郵便料金は改正され、現在では葉書62円、手紙82円です。

民営化とともに大きく変化する郵便などの事業

2017年度の小荷物などを含む引受郵便物等の数は約217億3500万個で、そのうち通常郵便物は約172億2200万通を占めていますが、2001年をピークに郵便物の量は少しずつ減少しています。携帯電話、電子メール、SNSなどの通信手段の普及と多様化が、大きく影響していることは間違いありません。

しかしながら、郵便とそれを支える拠点である郵便局の全国ネットワークは強大です。
これを活用して送金する手段が郵便為替事業、貯蓄を促し資本を蓄積する仕組みが郵便貯金事業で、これらはともに明治8(1875)年に始まっています。現在では、郵政省は2003年に公社化され、2007年には民営化し日本郵政株式会社となっていることはご存じの通りです。
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