「2時間飲み放題」を掲げ、低価格で飲食を提供する居酒屋は、もうはるか昔から私たちにとって当たり前の存在になっている。 さらに最近は、「月3000円でドリンク飲み放題」の居酒屋、「月約7万円で食べ放題」のステーキレストランなど、その日だけではなく月単位で客の獲得を狙ったサービスも多くなり、さまざまな「定額制の飲み放題・食べ放題」サービスが増えている。 また、飲食店に止まらず、いろいろな分野で「定額で○○放題」のサービスが目立つようにもなっている。 「サブスクリプション・ビジネス」といわれるこの「定額制」サービス。ここにきてなぜ急速に増加し、広がっているのだろうか?
●車の定額乗り換え放題サービス
中古車買い取り・販売チェーン「ガリバー」を運営するIDOMが提供する「NOREL(ノレル)」は、月額制の自動車乗り換え放題サービス。
公式Webサイトで約600台の中古車の中から好きな車を予約し、近隣の「ガリバー」でレンタルできる仕組み。
月額料金は、保険料込みで1万9800円〜9万9800円(いずれも税別)の5種類あり、料金と比例して選択可能な車種の幅が広がる。
●高速道路乗り放題
NEXCO西日本が行っているドライブパスは、周遊エリア内の高速道路が、定額で乗り放題となるサービスだ。
NEXCO西日本管内のエリアによっていくつかの種類があるが、例えば「九州よかよかドライブパス2018」は、九州内の高速道路が乗り放題となるお得なパス。
普通車の全日4日間プラン8000円、全日3日間プラン6500円などとなっている。インターネットから申し込むことができる。
●定期購入サイト「サブクリ」
全国の注目ショップが厳選したアイテムを、“毎月1回・定額”で届けてくれる定期購入専門のオンラインショッピングモール。
ご当地グルメ、スイーツ・お菓子、コーヒー・紅茶、花・雑貨、酒、エンタメ・ホビーまで、幅広いジャンルから多くの品種が揃っている。
上記以外にもアメリカでは、月額8ドル99セントで毎月1本の映画を見ることができるサービス、月額1ドルで髭剃りを提供してくれるサービスなども登場している。そう遠くない将来に、日本にも登場してくることは容易に想像できる。
行き詰まる従来型ビジネスモデルの救世主となりうるか
1回売ってしまえば終わり……そんな従来型ビジネスモデルが確実に行き詰まりつつある現代社会。眼前の現実問題として、これまでと同じ手法で業績拡大することに限界を感じている業態も多くある。それらの業態が、サブスクリプション方式のビジネスモデルを取り入れ、生き残りを図っていこうとしているのが昨今の動きといえる。
── サブスクリプション・ビジネスがこれからさらに広がっていくかどうかは、デメリットの項で紹介したいくつかの項目をいかにクリアするかにかかっている。利用者がお得さを感じる価格設定であることに加え、会員だからこそ得られるサービスなど、特別感を与えることができるかどうかが、今後の広がりに大きく影響してくるのではないだろうか。
≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、エンタメ系など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車などなど。新潟県長岡市在住。
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