2018.06.29
フレックスタイム制の仕組みと実態から見る残業代が発生した場合の対策
労働問題の解決に役立つ法律メディア 労働問題弁護士ナビ編集部
株式会社アシロ
フレックスタイム制とは、定められた労働時間の中であれば、労働者自身が出社時間と退社時間を決めることのできる、変形時間労働制のうちの一つです。フレックスタイム制という特殊な勤務体系によって様々な問題が出ているのも現実です。今回は、フレックスタイム制の仕組みと、それに関連したメリット・デメリットを解説していきます。
同じ会社でも、企画をする部署から、制作、営業と様々あります。フレックスタイム制は、社内全体で設けなくても、部署ごと、もしくは個人で設けることが出来ます。
フレックスタイム制導入のポイント
いかがでしょうか。フレックスタイム制についておおよそご理解いただけたでしょうか。補足にはなりますが、フレックスタイム制導入にあたっての注意点がありますので、簡単にご確認ください。従業員の方は以下の内容にきちんと合致しているかを確認しましょう。
フレックスタイム制について労使協定を締結すること
まず、フレックスタイム制を導入するにあたって労使協定を締結することが必須です。これは労働基準法に明記されており、労使協定を締結していない場合は労使間で合意があってもフレックスタイム制の導入はできません。
フレックスタイム制が労働条件となっていること
端的に言えば、フレックスタイム制の適用について就業規則等に明確に定め、これを従業員に周知する必要があるということです。ここでいう周知とは、規定内容を明確に認識させることまでは不要であり、従業員が規定を確認しようと思えばいつでも確認し得る状態に置いてあることで足ります。
例えば社内のイントラネット上に規定がアップロードされており、従業員はいつでもアクセスできる場合は現実にアクセスしたことがなくとも周知はされていると考えられます。
他方、就業規則は作成しているものの、従業員がその存在を知らなかったり、閲覧やアクセスの方法を知らなかったりと言う場合は周知は足りないと考えられます。
【就業規則の例】
(適用労働者の範囲)
第○条 第○条の規定にかかわらず、企画部に所属する従業員にフレックスタイム制を適用する。
第○条 フレックスタイム制が適用される従業員の始業および終業の時刻については、従業員の自主的決
定に委ねるものとする。ただし、始業時刻につき従業員の自主的決定に委ねる時間帯は、午前6時
から午前 10 時まで、終業時刻につき従業員の自主的決定に委ねる時間帯は、午後3時から午後7
時までの間とする。
② 午前 10 時から午後3時までの間(正午から午後1時までの休憩時間を除く。)については、所属
長の承認のないかぎり、所定の労働に従事しなければならない。
(清算期間及び総労働時間)
第○条 清算期間は1箇月間とし、毎月 26 日を起算日とする。
② 清算期間中に労働すべき総労働時間は、 154 時間とする。
(標準労働時間)
第○条 標準となる1日の労働時間は、7時間とする。
(その他)
第○条 前条に掲げる事項以外については労使で協議する。
参照:東京労働局
コアタイムの前後にフレキシブタイムが設けられていること
上記で簡単に触れましたが、コアタイムの前後には必ずフレキシブルタイムを設ける必要があります。言い換えると、フレックスタイム制では、出退勤時間はフレキシブルでないといけません。
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