前回の記事「海外不動産投資(1)── 思いきって海外不動産に投資する“とき”がきた!」では、新興国の不動産値上がり状況をベースに、海外不動産投資とは何か、そのしくみ、海外不動産の購入方法について解説した。 当然ながら投資金額が少なくないので、リスクへの不安を事前に払拭しておかなければ安易に手出しはできない。当然ながら、海外不動産投資を考えている人にとって気になる点は、海外不動産投資にチャレンジしたときのデメリットとメリットだろう。 そこで今回は、メリット&デメリットはもとより、不動産投資先としていま具体的にどんな国への投資が活発なのかについてもご紹介しよう。
海外不動産投資で想定されるメリット
いくつかの海外不動産投資先として注目されている国を紹介したうえで、次は海外不動産投資のメリットとデメリットを見ていくことにする。
【メリット①】国内とは比較にならない利回りが期待できる
不動産を含め、日本国内での資産投資で大きな利益を得るのは、とても難しい時代になっている。それに比べて海外、とくにアジアの新興国は、かつての日本のバブルのような活況を呈している。なかには不動産投資での利回りが10%を超える国も見受けられ、日本の国内不動産に投資するよりは、よほど利益が期待できる。とくに最近の日本では、少子高齢化による人口減の流れがはっきりしてきており、いい意味で成熟、言葉を替えれば大きな成長は望めないのが現状だ。思いきって海外に目を向けるのもひとつの方策だろう。
【メリット②】複数の通貨を所有することになる
海外不動産を購入する場合、現地の通貨で買うことになる。そうすると、私たちが使用している円のほかに外国の通貨、たとえばドルやユーロ、あるいは中国の人民元、タイのバーツなどを持つことになる。その点でいえば、たとえば円が暴落したとき、そのリスクをドルが、あるいは人民元が救ってくれる可能性もある。つまり、為替変動に伴う投資リスク軽減というメリットもあるのだ。
【メリット③】外国はローンのスタイルが豊富
日本で不動産を購入しようとすれば、金融機関のローン審査はとても厳しく、かなりの手持ち資金が必要になる。しかし海外ではその点、比較的ゆるやかなケースも多い。たとえば、海外の金融機関でよくみられる「ノンリコースローン」もそのひとつだ。
これは物件を担保に入れれば、自らは保証人になる必要はなく、もし支払いに行き詰まったら、物件を手放すことでローンの支払いは免除されるという制度。国によって金融機関のローンスタイルはさまざまなので、現地の金融制度や経済事情を研究することが肝要だ。
海外不動産投資で想定されるデメリット
【デメリット①】現地の情報収集が困難
海の向こうで資産を投資する際、ハードルとなるのはその国特有の金融制度や商習慣、また経済事情、社会地事情などを把握しにくい点にある。それらのハードルをクリアするには、前記事でも解説した現地の事情に詳しいファイナンシャルプランナーなどから詳細な情報を得て、慎重に投資することが大切だ。
【デメリット②】為替の変動によって損益が発生する
メリットと表裏一体だが、複数の通貨を有することは、おのずとそのときどきの世界の経済事情に応じて、為替変動の影響を受けるということになる。急激な円高に触れれば、売買時の利益が大幅に縮小されるリスクも秘めている。
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