近年、日銀の金融緩和・マイナス金利政策や、先行きの見えない国内経済の影響を受け、日本円と比べて高利回りの「外貨建て投資」に人気が集まっています。 日銀の資金循環統計(2016年末)からの推計では、家計が保有する外貨建ての金融資産残高は、前年末比3%増の約50兆6000億円と堅調に伸びており、国内の超低金利を嫌って家計資金が海外資産に流れていることがうかがえます。 そうした中、外国株や債券などの金融商品だけでなく、外貨建ての実物資産となる海外不動産への投資も活発化しており、国内から海外の不動産投資に切り替える個人投資家も増えているようです。ただ、海外の不動産と聞くと「難しい」「ハードルが高い」というイメージが先行して、興味はあってもなかなか手が出せないという方も多いのではないでしょうか。・・・
近年、日銀の金融緩和・マイナス金利政策や、先行きの見えない国内経済の影響を受け、日本円と比べて高利回りの「外貨建て投資」に人気が集まっています。
日銀の資金循環統計(2016年末)からの推計では、家計が保有する外貨建ての金融資産残高は、前年末比3%増の約50兆6000億円と堅調に伸びており、国内の超低金利を嫌って家計資金が海外資産に流れていることがうかがえます。
そうした中、外国株や債券などの金融商品だけでなく、外貨建ての実物資産となる海外不動産への投資も活発化しており、国内から海外の不動産投資に切り替える個人投資家も増えているようです。ただ、海外の不動産と聞くと「難しい」「ハードルが高い」というイメージが先行して、興味はあってもなかなか手が出せないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本における不動産市場の現状と比較しながら、海外不動産市場の将来性や投資のメリット・注意点など、押さえておきたい基本ポイントを2回に分けて解説していきます。海外不動産投資の入門編として、ぜひご一読ください。
不動産投資の「インカムゲイン・キャピタルゲイン」とは?
国内外を問わず、不動産投資による収益(リターン)には、以下の2種類があります。
●家賃収入によって得られる「インカムゲイン」
●不動産価格の値上がりによって得られる「キャピタルゲイン」
まず、家賃収入によるインカムゲインは、将来にわたって継続的・安定的な収益を目指せる点が特長です。よって、インカムゲインを重視した不動産投資を行う場合は、現在の賃貸利回りに着目するだけでなく、長期的な家賃相場の変動や賃貸ニーズの見通しも考慮していく必要があります。
一方、保有している物件の価値上昇によって得られる売却益がキャピタルゲインです。株式投資などと同様に「安く買って高く売る」ことが基本となりますので、不動産投資においても「市場の成長性」と「物件の割安感」を見極めて投資することが、収益性を上げる重要ポイントとなります。
以上の点から見ていくと、人口が増加傾向にあり経済成長率も高い国の不動産の方が、国民所得や物価上昇とともに将来的な住宅需要や家賃の上昇も見込みやすく、投資による収益性が高まっていく可能性が大きいといえるでしょう。
人口減少社会の加速とともに厳しさを増す、日本の不動産市場
では、海外不動産の将来性についてふれる前に、インカムゲイン・キャピタルゲインという収益性の面から、日本における不動産市場の現状を見ていきましょう。
次のページ投資ムードが年々高まる、アジア新興国の不動産市場
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2008.09.26
2010.04.20