「市場開発」 とは、より具体的には、 「新規顧客を獲得するための取り組み」 と言い換えられます。
なお、「市場開発」を実際に行うための
「基本理論」や「枠組み」、「ガイドライン」
などのことを
「マーケティング」
と呼びます。(ただし、マーケティングの適用範囲は、
「市場開発」だけに留まりませんが)
さて、この「市場開発」という言葉、
普段のビジネスシーンではほとんど使いませんよね。
(表現が硬いせいでしょうか)
しかし、もっと意識して使うべきではないかと、
ずいぶん以前から私は思っていました。
なぜなら、新規顧客を獲得するためには、
相応の資金を「先行投資」として投下することが
必要であるにも関わらず、その認識が薄い企業が結構多い。
だから、
「市場開発」
という表現を使えば、
目先の短期的な収支にとらわれない
「先行投資」
の重要性を意識しやすいからです。
「製品開発」は、明らかに先行投資ですよね。
‘柳の下のどじょう’製品はさておき、
純粋な新製品を開発しようとしたら、
市場に出すまでに数千万、数億、製品によっては
数十億円以上のお金を先行して投じるわけです。
しかも、新製品が100%ヒットする保証はありません。
製品開発に投じた莫大な資金が回収できるかどうかは、
蓋を開けて(上市して)みなければわからない。
しかし、継続的な成長のためには、
「製品開発」
のための投資が必要であることを
まっとうな企業(特にメーカー)は十分に認識しています。
だから、厳しい経営状況でも、
投資予算をなんとか確保しようとするわけです。
一方、新規顧客を獲得するためにもまた、
「相応の投資」
が必要なのだという認識は、
優良企業でも意外に薄いのが現実です。
新規顧客を獲得するためには、
相応のマーケティング予算を確保して、
十分な広告宣伝を行い、
製品の存在を認知してもらい、
またその特徴やベネフィットを潜在顧客に
知ってもらうことが欠かせません。
いまさら言うまでもないことですが、
「優れた商品なら黙っても売れる」
ということはまずないのです。
(運よくそうなることもありますが、
事業を「運」だけに頼るわけにはいきませんよね)
結構前のことですが、
地方の某ソフトハウスが新たに開発したばかりの、
法人向けソフトウェアのマーケティング施策に
関わったことがあります。
このソフトは、今後法人ユーザーが間違いなく
必要とする機能を備えており、非常に有望な商品でした。
既に名の知られた競合他社が類似製品を出していましたが、
まだまだ市場導入期にある製品のため、この企業が
トップシェアを獲得することは決して無理ではないと
思っていました。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。