2017.01.07
生活に必要な「モノ」と「情報」を得られる場所へ。 求められる新しいスーパーマーケットの形。電力自由化における期待とは。
株式会社 アイ・グリッド・ソリューションズ
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ
2016年4月に開始した電力自由化。 流通小売業として、スーパーマーケットが参入した2016年。 消費者のライフスタイルと密接したスーパーマーケットが 電力自由化への切り替えへと導く可能性は、 消費者が考える付加価値とどうつながっていくのか。 2017年のフェーズとは。 ‘ワンストップ・ソリューション’ スーパーマーケットの媒体としての存在意義、独自の戦力を考えていく。
電気は購入ではなく「契約」。契約受付への準備や、それに伴う従業員教育・モチベーション維持の体制づくりが、新しいスーパーマーケットの課題。
一方で課題もあります。SM・GMSの多くでは食品・衣料・住関テナントと4つの組織がありますが、情報やサービスを担当する部署は無いところがほとんどです。そうした構造的なギャップをこれから変えていく必要があります。
また、「スーパーマーケットで電気を買う」のが今日の分だけ買うということなら問題ありませんが、今後ずっと使うとなると「契約」が必要になります。そうすると、従業員教育や対応できる売り場など体制の整備や、積極的にそれを売るモチベーション・インセンティブ・教育などをどうするかということも課題となってきます。
電力自由化から半年強の間に、都市ガス会社が非常に好評なのも、そもそもガスという商材が契約によって渡すものなので、違和感無く受け入れられやすいという背景があります。
スーパーマーケットは、情報・サービスを司る部署を整え、契約受付が出来る人員と売り場の体制を作ることが求められています。
電力会社を切り替えた人の9割近くが「期待していた、あるいは期待していた以上の結果になっている」と回答。新商品や売れている食品と同様に、自信を持って消費者に紹介してもらい、信頼関係を築けたら。
巻口氏は、スーパーマーケットで電気を扱う際に「一番大切なのは「あなたが入っていますか」と言われた時に、従業員が「はい、当然です」と答えられないのが問題だろう。」と意見を挙げました。
資源エネルギー庁のアンケートで、電力会社を切り変えた人は、全国で約4%でしたが、そのうち切り替えた方へのアンケートでは88%以上の人が「期待していた、あるいは期待していた以上の結果になっている」という結果になっています。切り替えた人は満足している状況です。
前述した通り体制を整えていく課題はありますが、大切なこととして「電気を変えて良かった」ということが、まだ入っていないけど悩んでいる消費者の方に、スーパーマーケットという媒介、スーパーマーケットの従業員の方を通してもっと伝わっていけばと思います。そして、スーパーマーケットは役立つ情報をお客様に提供している・売っているという点で、信頼を蓄積出来たらいいのではないでしょうか。
「自由化というのはこういうことです」と、小難しく解説するのではなくて、新商品や売れている食品を紹介する時と同じように、気軽に「いい商品を使っていますよ、あなたもいかがですか」と対面でお勧めする。スーパーマーケットで取り扱う電力販売は、そういうフェーズに入りつつあります。
(株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ エネルギー・プラットフォーム事業本部本部長 秋田 智一)
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株式会社 アイ・グリッド・ソリューションズ
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ
株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、電力エネルギー需要の最適化を推進している会社です。 今後、電力・ガス等のエネルギーもコモディティ化された「商品」になって行くとするならば、 この生産・調達から流通・消費までのトータルエネルギーマネジメントは、最終需要者の需要動向視点が重要となり、 サプライチェーン・マネジメント(SCM)ではなく、デマンドチェーン・マネジメント(DCM)であるべきでしょう。 (株)アイ・グリッド・ソリューションズは、この未来の姿を見据えて、エネルギーのデマンドチェーン・マネジメント(eDCM)を提唱し、 「川上から川下へ」ではなく、「川下から川上へ」向かってのエネルギー需要の連鎖に注目し、その最適化の実現を事業戦略の 基幹におくべきと考えています。かつて小売流通界においては、革新的な先人たちがデマンドサイドのマネジメントに向かって スタートし今日の姿があるように、我々もエネルギー分野における理想に向けスタートしています。