デジタルサイネージの仕組み、今までとこれから。

画像: screenmediadaily

2016.07.04

IT・WEB

デジタルサイネージの仕組み、今までとこれから。

赤秀 有為
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

デジタルサイネージのマーケット、堅調に毎年拡大してきている。 2014年 1054億円、2020年 2717億円(予測)と、2014年比 2.6倍に膨れるとの事。 このサイネージについて、今回は システム的な仕組みについてフォーカスしたい。 ネットワークインフラの進化等の要因もあいまって、形が変わってきている。

この仕組みに変わるポイントは、標準化になる。

2016年モデルでは、クラサバ型で、単一ベンダによる 独自仕様で クライアント側もサーバ側も仕組みを一括提供してきた。
モノによっては、コンテンツ形式までも独自仕様で、コンテンツも含めて一括提供というものもあった。
2020年モデルでは、HTML5というコンテンツ形式に標準化され、関連する仕組みがオープン仕様となった。
クライアント側は、通常のブラウザで良いし、サーバ側も オープン仕様のWebサーバで良い。
個々の要素がオープン技術である為、全体の仕組みを一括提供ではなく、各ベンダーは、個別要素をそれぞれ提供すれば良い様になった。

この流れ、企業の基幹システムの歴史と似ている。
昔 IBM等の単一ベンダによるメインフレームから、UNIX系のオープン化によるマルチベンダ化への変遷。
この流れ、必然の歴史といえるのではなかろうか。

オープン化によって、特定企業の独占ではなく、様々な企業による競争が促され、コストも品質もこなれてくる。
そうすると、さらにサイネージの導入が進むといったグッドサイクルが生まれてくる。


これからの業界動向

今までのサイネージ業界といえば、新規参入も撤退も少なく、プレイヤーにあまり変化が見られなかった。
市場は拡大しているにも関わらず、参入プレイヤーは微増程度。

業界内の勢力図についても、ディスプレイ供給は、NEC/パナソニック/シャープ/サムスンなどといった大手が先行。
ただ、その他領域、システム/コンテンツ/広告等は、まだ明確な勝者がいないといった状況である。

今後について。成長市場で、かつ、仕組みのトレンドが Web方向に進んでいる。
なので、ここ数年で、ネット系ベンチャーが どっと参入し、新旧交えた覇権争いの激化が起こると想定している。

ネット系企業の参入について、弊社への相談も ここ最近 ちらほら来ている。
「オムニチャネルを展開しているが、ネットだけで片手落ち。リアルも展開したい!」
「サイネージを含めたオウンドメディア戦略を考えたい!」
「Webで築いたCMS資産をサイネージ用にも横展開したい!」などなど。

このサイネージ業界、東京オリンピック/パラリンピックの頃には、どのような展開を見せているだろうか。 要注目の業界である。

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赤秀 有為

エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント

慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。

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