2016.02.01
マーケティング・プロデューサーの時代
動画広告・動画マーケティング専門メディア VIDEO SQUARE編集部
Crevo株式会社
この10年ほどは、マーケティングが時代の変化に直面して、その対処に追われ、またさまざまな混乱を生んできたように思います。 ようやく、私達が直面している本質的な課題が何なのかの共通認識が生まれはじめてきているのではないでしょうか。
それを象徴するのがスマートフォンにおける競争でした。従来の競争をめぐる常識では考えられない象徴的な出来事がスマートフォンの市場で起こったのです。
アップルのスティーブ・ジョブズはたびたび、市場のシェアは眼中になく、完璧な製品をユーザーに提供することを目指していると言っていました。一方で、アンドロイドOSを搭載したサムスンなどのライバルは、販売数量や市場シェアを追求してきました。
そして、多くの人が、スマートフォン市場で、アンドロイドがOSの80%を超えるシェアを獲得したときに、アップルのiOSの敗北、なかんずく、首位の座についたサムスンの勝利、つまりiPhoneの敗北に見えたのです。
しかし、実際に起こった新しい現実は、シェアで言えば17%程度のiPhoneが、スマートフォン市場の全メーカーが得る利益の9割以上を占めているということです。
アップルは「体験」を売り、APPストアやiTunesなどのエコシステムにうまく消費者を囲い込んで、アップル・ブランドとの絆を築いてきました。それに対し、ライバル企業は、規模の経済効果を求め、「機能」と「価格」で激しく競い合って売るステージから抜け出せなかった。それが、この結果です。
スマートフォン市場が見せてくれているのは、品質や機能の競争だけでなく、異なるビジネス・モデル間の競争。そして、「マーケティング3・0」のステージに立つマーケティングが実現できるかどうかを競い合う時代に入ってきているということではないでしょうか。
インターネットが価値をエンパワーする場となり、動画がさらに重要に
インターネットがメディアとしてパワーを持ちはじめ、SNSやモバイルの進化がそれを加速してきました。
インターネットが広告メディアとしても2014年に一兆円を超え、日本の総広告費の17%を占め、29.8%を占めるテレビに次ぐポジションとなりました。
それよりも今後を占う上で重要なのは、メディアとの接触時間で、「パソコン」「タブレット」「携帯・スマホ」の合計時間が伸びてきましたが、2014年に東京地区では161.3時間となり、「テレビ」の156.9時間を上回ったことです。
それらの利用がすべてインターネットではないとしても、それらに投入される広告費と、ユーザーの接触時間にまだギャップがあり、まだまだネットの効果を追求していく余地があることを物語っています。つまり、ネット利用の高度化が、現在よりも加速する可能性を十分に感じさせます。
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