年間559億の被害。オレオレ詐欺に流れるお金をシルバービジネスへ回すために必要なこと。
【詐欺集団と同じ欺瞞】
例えば先日、ネットで流れていた新聞記事*3で読んだのだが、振り込め詐欺で捕まった被疑者に罪悪感はないらしい。「高齢者がカネを持っていて何の意味がある。俺たちがそのカネで日本の経済を回してやっているんだ。」との強弁である。
さらに、この記事には「そうだ貯めこむな。(振り込め詐欺の)やり方は間違っているが一理ある」などというコメントがたくさん付くのである。基本的には犯罪者と意識は変わらない。
余っているお金をただ抱え込んでいるのだと、なぜわかるのだろう。振り込め詐欺にあうと、何故か騙される被害者が馬鹿なのだと責められる風潮があるが、どう考えてもおかしい。それがどのような形であれ、子供への愛情によって騙されたにも関わらず、当の子供に責められることもよくあるらしい。騙す方より騙される方が悪い。貯めこんだカネを抱え込んでいる方が悪い。なんだろう、この考え方。そんな風な社会だから、人間関係だから、高齢者に安心してお金を遣ってもらえないのだ。
【高齢者がお金を使える社会を】
いろんな意味で、もったいないと思う。不安ゆえに貯めこまれ、結局遣い切れなくなる大量の資産。高齢者が安心して、自分の楽しみや幸せのためにお金をつかえるようにできないだろうか。その分のお金が、若い世代に正しく落ちる循環が作れないだろうか。医療や介護だけでなく、もっと若者のためになることに高齢者がお金を遣い、例え遣い切っても安心なセイフティネットを作れないだろうか。高齢者と若者がwin-winになるシルバービジネス。超高齢社会の日本はまだまだこれからの優良市場である。ひとつ考えてみてはいかがだろうか。
*1 警察庁広報資料「H26年の特殊詐欺認知・検挙状況等について」
*2 内閣府「H26年版高齢社会白書(全体版)2高齢者の経済状況」
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超高齢社会の何が本当の課題なのか
2015.02.17
2015.02.24