独自の「ホスピタリティ・ロジック」を開発された、プレディーカ・マネジメント代表取締役社長の石丸雄嗣さんに「ホスピタリティとは何か?」について解説していただきました。
石:そうですね。ホスピタリティスキルを活用するなら、そのお客様がどんな料理を好きかを関係者などにさりげなくに聞いておく。そして、その料理を作ってお出しする。すると、「どうして私の好きな料理を知ってたの?」と驚き、とても喜んでくれますよね。
松:すると、ホスピタリティスキルを発揮するためには、お客様の好みや欲求、思いを様々な方法で的確に'察知すること'が大切なんですね。
石:はい。お客様がしてほしいこと、してあげたら喜ぶことが何かを口に出して言われなくても、「お客様はこんな問題やニーズを抱えているのでは?」「(だから)こうしてあげたら喜んでくれるのでは?」と想像することが必要です。
松:そうした想像は、お客様の表情や声のトーン、しぐさ、過去のやり取りなどを総合的に勘案してやるものですよね?
石:はい、そのようなものを手がかりにして、お客様の問題・課題、欲求を推察する。そして、お客様の抱えているであろう問題の解決や欲求充足の助けになるような対応をしてみる。これは、一種の「仮説思考」ですね。
松:言い換えると、「お客様の心理を深読みすること」だと言えますかね。お客さまが口に出されたことではないので、想像したことは、あくまでこちら側の仮説になる。
石:そして、その仮説が正しかった場合、頼んでもいないのに「気が利く対応をしてくれた」とお客様は感じます。こうしたことが積み重なると「ぜひあなたから買いたい」という気持ちになっていくというわけです。
松:なるほど。では、相手の隠れた問題・課題、欲求を的確に想像する、つまり、正しい仮説を立てられるようになるためにはどうしたらいいでしょうか?
石:それは、相手の状況について強い関心を持つこと。そして、相手のことをとことん心配して、相手はどうしてほしいか、自分はどうしたらいいかを想像することです。端的に言うと、「相手以上に相手のことを考える」ことです。
松:相手の立場に立って、自分だったらどのように感じているか、自分だったら何をしてもらいたいかを考えるということになりますかね?
石:はい。あくまで相手が主語である、主体であるという前提の下、「相手が良いと思うことが何か」を真剣に考えるのがホスピタリティ・スキルの基本です。
松:そうやって考えた仮説、例えば先ほどのスターバックスのケースだと、バリスタは「石丸さんは二日酔いに困っていて薬を飲むつもりなのかもしれない(自分もそうするだろうから)」「だから、白湯をお出ししてみよう(白湯があると薬が飲みやすいから)」という仮説が間違っていて、「いや、白湯はいいよ」と言われたらバリスタはがっかりですね。
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2020.05.12
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。