独自の「ホスピタリティ・ロジック」を開発された、プレディーカ・マネジメント代表取締役社長の石丸雄嗣さんに「ホスピタリティとは何か?」について解説していただきました。
松:「あなたから買いたい」と思ってくれてる顧客はしばしば、繰り返し購入してくれる固定客、つまりリピーターとなっていきますね。
石:その通りです。でも、ホスピタリティ・ロジックにおいては「リピーター」という言葉も基本的には使いません。お客様が買いたいと思ってくれている。その結果としてリピート、すなわち繰り返し購入してくれるという現象が起きているに過ぎず、「リピーターを増やす」といった発想で考えることはしないのです。
松:では、ホスピタリティ・ロジックにおいて、「あなた(の会社)の製品・サービスを買いたい」と思ってもらうために、どのようなことをすべきなのでしょうか?
石:ひとことっで言えば、ホスピタリティは、基本的には、お客様がうれしい、ありがたいと感じてくれるようなことを'頼まれていなくても'行うスキル(技術)です。
松:頼まれてもいないことを行う・・・?
石:はい。例えば、私がちょっと飲み過ぎた日の翌日に、いつものスターバックスに行って「今日は二日酔い気味なのでコーヒーじゃなくてジュースにしようかな」とバリスタに言うと、「(ひょっとして)お薬飲まれるようだったら・・・」と白湯を添えてくれたことがありました。そのバリスタは、頼まれてもいないのに、私の顔色や体調を気遣ってわざわざ白湯を出してみた。私としてはその気遣いがうれしい。こんなバリスタがいるから、人々はスターバックスに足しげく通ってしまうというわけです。
松:お客様の立場としては、頼んでもいないことだからこそ「気が利くね」と感じられるのですね。
石:そうなんです。あとで詳しく説明しますが、ホスピタリティは技術なんですよ。相手が嬉しい、ありがたいと思うこと、要するに「良いと思うこと」を頼まれもしないのに勝手にやるスキルです。顧客に「白湯をください」と言われて出すのは誰でもできるし、それは単なる「サービス」に過ぎません。
松:つまり、ホスピタリティは、言われてもいないのにすること、一方、サービスは言われたことをするというのが両者の違いですね。
石:はい、両者の違いはたくさんありますが、そのうちのひとつはそれです。またホスピタリティは、お客様が言われた以上のことをしてあげることを含みます。「ここまでやってくれてすごい」と感じてもらえるようなことをやる。
松:しかし、ホスピタリティ・ロジックにおける「サービス」は、そうではない?
石:はい。サービスは「言われてからする」行為であり、基本的には「言われたことしかしない」のです。しかも、しばしば「言われるまでしない」、さらには、「言われてもしない」という状況になりがちです。混んでいる飲食店での店員さんの対応でこんな経験ありますよね?
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2020.05.12
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。