2013.06.19
映画「県庁おもてなし課」公開記念・高知県の観光広報(前編)
「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire
映画「県庁おもてなし課」が現在公開中だが、映画公開にあわせて高知県庁内に再現したロケセットには、1か月で既に1万人以上が来訪しているという。 そこで高知県では実際にどのような観光広報に取り組んでいるのか、高知県観光振興部観光政策課の鈴木康正氏に話を伺った。
その結果、2011年の年間入込客数は388万人と2010年からの反動減を最小限に食い止め、過去2番目の数字を記録するに至った。
■“ファン”づくりに向けて次のステージへ
ここまで見ると博覧会頼みのように思われるかもしれないが、その点について鈴木氏は「博覧会は“起爆剤”」と語る。
「まずは『龍馬伝』の放送という機会を最大限に活かし、観光基盤の底上げを図ること、そして地域の方々に観光振興の有効性を実感してもらうこと、そのための“起爆剤”として2年連続で博覧会を開催してきました。」
「その結果相応の成果をあげることが出来たことから、2012年度からは次の段階として、県内各地域にある観光資源を如何に発掘して、そして磨き上げることによって、県観光全体のポテンシャルを高めていくことへと軸足を移行することにしました。」
つまり観光振興を進めるうえで、初期段階は下地作りとして“博覧会”を展開、そして現在は次の段階としてより中長期的な取り組みを進めるなど、段階に応じて適切な取り組みを進めているわけだ。
そしてコミュニケーションについては、「高知県を知ってもらう」「高知県に関心を持ってもらう」「高知県に訪れていただく」「高知県の魅力を体感してもらう」「高知県に満足してもらう」「何度も高知県に訪れていただく」と、それぞれのレベルに応じて中長期視点で高知県のファンをつくっていくべく、「リョーマの休日」キャンペーンの展開とメディアの積極活用を進めている。
【「リョーマの休日」キャンペーン】
「リョーマの休日」は、
R・・・ロマンの休日(歴史や文化)
Y・・・やすらぎの休日(花や自然)
O・・・美味しい休日(食)
M・・・学びの休日(産業遺産やまち歩き)
A・・・アクティブな休日(体験やスポーツ)
と、高知県の幅広い魅力を「RYOMA」にちなんで設定したテーマごとに情報発信し、高知ならではの休日を楽しんでもらおうと実施されているキャンペーンだ。
そしてキャンペーンにあわせて発行し、現在36,000人以上に利用されているのが「龍馬パスポート」だ。この「龍馬パスポート」はスタンプがたまると青→赤→黒とステージアップする仕組み(※黒パスポートはさらに5段階あり)となっていて、それぞれのパスポートによって提供する特典や賞品も異なるなど、1度きりではなく何度でも来訪したくなる工夫がなされている。
なおキャンペーン開始から1年が経ち、だいぶ「リョーマの休日」の取り組みが定着しつつあると感じているそうだが、一方で毎年同じことの繰り返しではマンネリ化してしまうため、「リョーマの休日」という冠は継続しつつもコンテンツは常に刷新していきたいと考えている。
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