「オフィスグリコ」と「ぐりこ・や」に学ぶ縮小市場での生き残り

2013.04.19

営業・マーケティング

「オフィスグリコ」と「ぐりこ・や」に学ぶ縮小市場での生き残り

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 東京進出以来昨年で10周年を迎え、多くの企業の事務所でお馴染みとなっている「オフィスグリコ」。全国のサービスエリアを中心に人気となっている土産店「ぐりこ・や」。一見別々の展開に見える両者は、1997年に発足した「顧客接点を多様化させる」プロジェクトが結実したものだという。江崎グリコへのインタビューで明かされた同社の戦略を考察してみよう。

■縮小市場で、「何」を「誰」に売ればいいのか

 日本の人口縮小はもはや逃れられない所まできている。それは、少子化という危機に直面した製菓業に限ったことではない。その環境下で、「何」を「誰」に売っていけば生き残りが見えてくるのか。その答えの一つが、江崎グリコの展開から見えてくる。
 「モノからコトへ」は言われて久しいが、それを具体的にどのように展開するのか。江崎グリコの場合は「オフィスのソリューション」であり、「ワクワク感」であった。その二つは、菓子というカタチを借りて、顧客への具体的な「働きかけ」を行っていることで通底している。
 「顧客は誰か?」を考えることはマーケティングの基本である。江崎グリコの場合は潜在需要を持った新規顧客を開拓し、さらに既存顧客の需要を新たに喚起した。そうすることで、今までの新規顧客・既存顧客という枠を越えて「コトを満たすニーズを持った顧客」というターゲット顧客の再定義をしたのである。
 黙っていれば市場と共に縮む運命を、どう切り拓いていくのか。そのキーワードがこの事例から見えてくるだろう。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

フォロー フォローして金森 努の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。