最近のマーケティングにおける、 最もホットな「バズワード」(流行り言葉)のひとつに 「エンゲージメント」 がありますね。 (実は「エンゲージメント」は、 人材マネジメント業界においてもホットなバズワードですが!)
ところが、さまざまな情報に当たってみても
未だにその正体ははっきりしません。
先日参加した某勉強会でも
「エンゲージメント・マーケティング」
が、旬のテーマとして取り上げられてました。
しかし、現時点では言葉だけが独り歩きしていて、
中身はまだ空虚なままであるということがはっきりしました。
そこで、今日は私なりの「エンゲージメント」についての考えを
書いてみます。
まず「エンゲージメント」を日本語にどう訳すかですが、
これは、
「のめりこみ」
という言葉がしっくりくると思います。
人材マネジメント業界では、この「のめりこみ」という言葉が、
ワトソンワイアットの人材コンサルタント、川上真史によって
紹介されています。
人材マネジメントの枠組みでは、社員が、
どれだけ自分の仕事に“のめりこめている”かどうかが、
高い生産性や成果をあげるために重要だという視点で
注目されています。
つまり、従来のように企業本位の視点で、
どうやって働かせるかという発想ではありません。
逆に、社員本位の視点で、
どうやったら仕事に自発的に取り組んでもらえるかを考えるのが、
人材マネジメントにおける「エンゲージメント」です。
マーケティングの枠組みにおける「エンゲージメント」、
つまり「のめりこみ」も、同様に視点(立ち位置)の移動が
あります。
従来のマーケティング・コミュニケーションは、
どうやって伝えるか、理解してもらうか、買ってもらうか
という企業本位の発想でした。
しかし、「エンゲージメント」の考え方では、
対象ユーザー(消費者)が、どの程度、
当該商品・サービスにのめり込んでいるか
(エンゲージしているか)
を重視します。
すなわち、「対象ユーザーの視点」で、
マーケティング・コミュニケーションを評価しようするのが、
「エンゲージメント」(のめりこみ)
の基本発想だと言えます。
より具体的に説明すれば、「エンゲージメント」(のめりこみ)
では、この言葉が示すとおり、従来の
「ブランド認知」「ブランド理解」
といった浅いレベルではなく、
より深いレベルでの対象ユーザーとブランドとの関わり方に
焦点を当てます。
すなわち、対象ユーザーと当該商品・サービスとの間に
どの程度強い「心の絆」が形成されているかという、
「心理面での関わり度合い」
と、その目に見える形での現れとしての
「行動面での関わり度合い」
に着目します。
そして、エンゲージメントの基本思想である、
「深いレベルでの対象ユーザーとブランドの関わり方を
強化すること」
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2007.11.28
2009.02.03
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。