近年注目されている「ビッグデータ」の活用において最も期待されているのが、 「未来予測」 ですね。 商品の売れ行きの予測や、消費者・顧客の行動予測が高い精度で行なえれば、的確な事業計画やマーケティング施策の立案・展開が可能になります。
しかし、世の中の様々な新聞、雑誌、書籍、ブログなどを見回してみると、
「みせかけの相関」
に基づく「こじつけの因果関係」が巧妙に解説されており、ぱっと読んだだけではすぐに「みせかけの相関」だとわからないことも多いですね。
欧米の心理学初級の教科書には、
「アイスクリームの消費量がなぜ水難の割合と関係があるのか、その理由を考えなさい。」
という課題があるそうです。
アイスクリームの消費量が高い日は、水難の割合が高くなる。逆に、アイスの消費量が低い日は、水難の割合も低くなる。
見かけ的には、
「アイスクリーム消費量」と「水難の割合」
の間には相関が認められます。
しかし、すぐにおわかりかと思いますが、アイスクリームの消費量と水難の割合の間に
「見せかけの相関」
が生まれている背景には
「気温の変化」
があります。
もちろん、これは、あえて極端な例を示すことで、
「みせかけの相関」
の罠に落ちないようにするための思考訓練を教科書の読み手に与えているのですが。それだけ、私たちは「見せかけの相関」にだまされやすいということでもあります。
ですから、身の回りの様々な現象を引き起こしている
「因果関係」
を推定してみるだけでなく、すでに出回っている、
「もっともらしい因果関係についての説明」
が本当は「みせかけの相関」によるものでないか?と疑ってみることも、「論理思考力」を養う良い訓練になるでしょう。
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2012.08.22
2012.08.28
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。