グローバル人材の必要性がビジネス界で言われて久しいわけですが、常に悩みになるのが、 「そうは言っても、英語できないじゃん」 というもの。 この悩みを乗り越える面白い試みが、マサチューセッツ大学ローウェル校が提供するオンラインMBAプログラムです。 このプログラムに講師として関わる立場から、グローバル人材育成のリアルな感想を共有します。
日本人のなじんでいる組織は、「有機的」と「機械的」の両方の側面があるよなぁ…
と。
たとえば、自動車メーカー。
米国人にとっては(すくなくとも昔は)、巨大資本の自動車メーカーは機械的な組織の典型でしょう。Shop floor (現場)のworker (従業員)は、それこそ機械的に与えられた仕事をこなすことが期待されます。
ところが、日本では、現場こそがその会社の競争力の源泉であるとの認識があります。すなわち、現場にいる従業員は有機的な情報交換と、積極的な提案が期待されるわけで、このような認識を持っている日本人に、「有機的」 vs. 「機械的」という二元論的な世界観を示しても納得は得られないでしょう。
もちろんこれは一例であり、他にも「どうもこのコンセプトは日本人にはなじまないんだよなぁ…」という点が出てきて講師としては何とも悩ましいものです。
●講師自身もグローバル化
ただ、ポジティブに捉えれば、それは講師が自身を「グローバル」化していることに他なりません。
自分とは異なるカルチャー、異なる価値観を自分の中でどう整理し、アウトプットにつなげていくかという観点では、通常のビジネスパーソンが仕事で直面することと同じなのですから。
ひょっとすると日本人のグローバル人材の育成に関しては、このように「講師も含めて学ぶ環境としてグローバル化する」というのがヒントになるかもしれません。
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