「汝、己を知れ」がソクラテスの至言なら、マーケティングの鉄則は「汝、顧客を知れ」。ターゲットをシニアとするなら、彼らをどのように捉えればよいだろうか。
まちがっても「成熟したい」などとは思わないし、「成熟した」思われたくもない。これが今どき50代の圧倒的多数派である。従ってシニア向け商品なりサービスに「シニア」は禁句だ。ネーミングやキャッチコピーに「シニア」と書かれた瞬間に、今どき50代は「あっ、それ私向け/俺向けじゃないんね」と受け止める。「いきいき」「悠々」「お達者」………、すべて論外である。
新たな50代マーケット
「50代になってもジーンズが似合う格好いい大人でありたい」と考える人が、50代で64.1%いる(前掲紙)。ということを、嗅ぎつけている企業が当然ある。少し前、さまざまな年代の人が、ブルージーンズにオフホワイトのオックスフォードシャツを着こなすCMが流されていた。各年代の中には、さりげなく50代も混ぜられていた。うまいやり方だ。
しかも、恐ろしいことに「50代を過ぎたら、もう年をとらない」と思っている人も61.4%いる(前掲紙)。彼らが「五十にして天命を知り、六十にして耳順い、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず」となるのかどうか。ならないのだとすれが、必ずそこに新しいマーケットが生まれるに違いない。
『シニアマーケットは、年齢8掛けで考える』。これはシニア攻略法の鉄則である。
そういえば、筆者の知り合いの50代には、つい最近婚活始めた人がいるし、毎週週末にはファンクでノリノリに踊っている人もいる。そんなもんである。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24