スマホの普及率が臨界値「16%」を超えた。スマホが今後、爆発的に普及した時、何が起こるのだろうか。
『スマホ=ショップ』論
とはいえスマホの可能性を示す事例が生まれつつ有る。例えばiPhoneの新機能『Siri』を活用した英会話スクールだ。Siriは、正しく発音すれば機能する。つまり不正確な発音では、思ったように反応してくれない。この機能は英会話の練習に使える、というわけだ。
一方で、スマホを4PのPlace(流通経路)として活用する動きもある。ANAセールスが始めた『ダイナミックパッケージ』のスマホ対応だ。航空券と宿泊施設を自由に組み合わせて一括予約するダイナミックパッケージには、従来パソコンからアクセスしていた。これをスマホで使えるようになれば、利便性はより高まる。
新幹線のエクスプレス予約にしても、ケータイよりスマホの方が使い勝手がよく、パソコンよりスマホの方が使う場所を選ばない。ビジネスチャンスの広がりという意味では、スマホを、ケータイの延長線上にあるデバイスと考えない方がいい。
この新しいメディアをどう活用するのか。コンテンツ自身が、対価の取れるプロダクトとなる可能性がある。ガラケーとは次元の違うプロモーションを展開することもできるだろう。決済機能を持たせることも可能だから、スマホを一種の流通チャネルと見なすこともできる。ARを使えば、リアルとの融合も実現する。言ってみれば、スマホはいろいろな可能性を秘めたショップ(=窓口)である。
この先、5年ぐらいのスマホの変化は
iモードが登場し、ケータイの世界は大きく変わった。ケータイを使った新しいビジネスが、いくつも生まれた。『歴史は繰り返される』とすれば、これから先、例えばスマホの普及率が60%ぐらいになったとき、何が起こるだろうか。
あるいは10代の大半がガラケーからスマホにシフトした時、リタイアしつつある団塊世代が、スマホを使いこなすようになった時(実際、この世代のメディアリテラシーは結構高いはずだ)、スマホはどんな利便性をもたらすことができるか。
スマホが恩恵をもたらすのは、何もB2Cだけではない。B2Bでは、どうか。ビジネスで活用するとしたらどうなる。それも通信速度が、今の10倍ぐらいになったら。画面がもう少し大きくなったら(タブレットの画面がもっと小さくなったら)。大阪では、いよいよiPadを貸し出す地域密着ネットスーパーも登場した。
新しいメディアが変える世界を考えるコツは、今のスマホを前提とするのではなく、3年後ぐらいの進化予想図を頭に描くことだ。
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