メーカー毎に区切られたブース。専属の美容部員によるオススメと試用。それを快適と考える人もいるが、なかなか敷居の高さを感じたり買い回りがでないことに不便を感じたりする人も多い百貨店の化粧品売り場。それが今、姿を変えようとしている。
日経MJの記事によれば、そごうの狙いは「商圏が小さい地方・郊外店をてこ入れする」ことにあるという。今後ボリュームゾーンである団塊世代が高齢者の仲間入りをしてくる。彼らは大量生産・大量消費時代に産声を上げたが、バブルを経験し高度でワガママな消費を十分に経験してきた層だ。そのニーズに応えるためには売り手側の視点ではなく、より顧客側に沿うことが必要となる。それを実現するためのてこ入れなのだ。
また、伊勢丹は少子化によって一人ひとりの重要性が増す若年層を確実に取り込むために、自社店舗での待ちの姿勢を改めて競合店の中に飛び込んで来店のハードルを下げた。また、買いにくさも解消するためにブランド横断の売り場構成を実現して顧客ニーズに応えようとしているのだ。
日本の人口動態はもはや一層の少子高齢化を避けることはできない段階に来ている。その中で各社・各業態の模索が続いているが、「顧客視点への変革」が最重要キーワードであることは間違いない。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。