「カフェ業界」に異変が起きている。すっかり市場に根ざしたセルフサービススタイルから、旧来の喫茶店が提供していたオーダーテイク~配膳・片付けまでを提供する「フルサービス回帰」の傾向だ。いったいナニが起きているのだろう。
近年は「モノ需要からコト需要へのシフト」が一層進んでいる。その意味からすれば、カフェ業界もコーヒーの味、店内空間という目に見える物性的価値だけの勝負ではでなくなってくるのは理に適っている。ちょっと難しい舌を噛みそうな名前のコーヒーをレジカウンターで注文し、自分で席を確保、お片付けもしっかりしなくてはならない行儀の良さを求められるセルフサービススタイル。それに対し「お任せ」にできる、「ゆとり」や「ゆるさ」という情緒的価値を提供してもらえるフルサービススタイル。商品・サービスの普及が成熟化するにしたがって、求められる価値は中核・実体価値から付随機能に移行してくるのが市場の常だ。禁煙(分煙)、洗練された応対と店内空間、多彩なメニューという「シアトルスタイル」と、従来の喫茶店の「お任せスタイル」の良いとこ取りが今後の主流となっていくのだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。