10月30日日曜日、28日のルミネオープンの日に、あまりの行列の長さに断念したリベンジを果たすべく有楽町駅に降り立った。その日はルミネだけでなく、有楽町~銀座エリアをざっと視察する予定だった。その外観をお伝えしよう。
銀座エリアは現在1~4丁目、三越と松屋を中核とした旧来の「百貨店エリア」と、5~8丁目の松坂屋を含めた「ファストファッションエリア」に区分することができる。当日は後者を視察した。
【アバクロ】
相変わらずの世界観だが、ブランドショップの三分の二程度の価格とオーソドックスなのデザイン、ファストよりマシという程度の商品品質のアンバランスが否めない。世界各地の路面店と共通の独特の店内プロモーションが売り物であるが、再来店する固定客をどこまでつかんでいるのか少々疑問が残った。
【フォーエバー21】
もはや松坂屋の中核施設といっても過言ではないだろう。商品の品質は最もファスト的だが、価格の安さから顧客の買う気は満点。まとめ買いの光景多数。特に顧客の商品の買い方が特徴的だ。まず、商品の外観を見て、すぐにプライスタグをチェックする。ディテールではなく、ぱっと見と価格が重要。まさにファストファッションのKBF(Key Buying Factor=購入要因)を表している。
【うふふガールズ(松坂屋)】
大阪・京都の大丸で成功している百貨店としての若返り施策で、若年層に人気のショップを集積させたコーナーを作っている。銀座松坂屋の場合、ガールズ向けという割には主要顧客は二十代前半から半ばか。その意味では一部ルミネとターゲット客数が被る観もある。SC(ショッピングセンター)では、10代女子市場が活況だが、「うふふ」のターゲットとポジショニングをどうするのかテコ入れが必要に感じた。
【H&M】
価格と商品品質の整合性も高く、はファストとしては安定感がある。固定客も多い。
【ZARA】
価格と商品品質の関係性であるバリユーラインを高めに設定しているが、こちらも整合性があり固定客も多い。
視察前には、有楽町の台頭で銀座エリアの客が奪われるのではないかと考えていたが、少なくともファストエリアには影響は見えなかった。そもそも、ターゲット客層が違うのだ。そう考えると、当日は視察できなかった「百貨店エリア」もターゲット客層は有楽町的な「オトナ」ではなく、「もっとオトナ」だ。昨秋新館をオープンさせ、従来の1.8倍に増床した三越は顧客層の若返りを狙っているが、既に固定客は付いており、そこでも有楽町とは「棲み分け」の感が強い。
ルミネオープン以来、メディアでは連日取り上げられ、昨日も客足が途切れる時間帯は全くなかった。一連の過剰ともいえる来店ラッシュが落ち着きを見せたとき、各店、各エリアはどうなるのか。継続的にウォッチしたい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。