「ニッチなヤツ」を狙うエドウィンの戦略

2011.09.07

営業・マーケティング

「ニッチなヤツ」を狙うエドウィンの戦略

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 9月7日付日経MJの第一面記事は、ジーンズのエドウィンが飾った。ファーストリテイリングや大手流通グループが市場に投入した低価格ジーンズに圧されて生産量が縮小する国内ジーンズ市場において、同社はいち早く下げ止まり今年は反転攻勢を見込むという。その秘策は何だろうか。

 集中戦略のキモはターゲティングだ。消費者全般をターゲットとするのではなく、「特殊用途のユーザー」であったり「マニア」であったり。そうしたニッチを一つ一つ取り込んでいくのがエドウィンのコラボ戦略の基本である。その意味では上記分類の1番目はまだ大きなターゲットのカタマリであるが、2つめのゲームキャラは人気ゲームとはいえ万人が知るものではない。「クロミ」は「マイメロディー」というメインキャラではなく、あえてライバル役とのコラボであり、その「悪役キャラながら、どこかドジっ子」という設定にシンパシーを感じる人を狙っているのだ。3つめのヴィヴィアンウエストウッドはそのタイトなシルエットから1番目のニューヨーカーなどと比べて着る人を選ぶ。カフェ・カンパニーのカフェは、ただのカフェではない。オシャレにこだわっているのだ。さらに4番目の「釣り」は若年層の取り込みによってメジャー化を図りつつあるが、まだまだマイナーだ。
 
 「集中する」ということは「捨てる」ことでもある。「集中と選択」というわりには、「選択しても集中できていない戦略」が散見される。「捨てる勇気」が持てないのだ。ニッチに集中して独自の生存領域を次々と確保していくエドウィンのコラボ戦略から学ぶものは大きいだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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