外食店の店頭はどう変わる?:とんかつチェーンの挑戦!

2011.08.04

営業・マーケティング

外食店の店頭はどう変わる?:とんかつチェーンの挑戦!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 低価格のとんかつ店「坂井精肉店」を展開する「ユナイテッド&コレクティブ」が、相次いで施策を展開し、さらにその狙いを絞り込みはじめた。同社にはどんな風景が見えているのだろうか。

 「サカヰ精肉店」は、<まず5店舗を出し、営業状況を見た上でフランチャイズチェーン(FC)での展開に乗り出す>と記事にあるが、もう少し考えると、店頭ショーケースによる「客数増加」と、この「金のハンバーグ」もテイクアウト化することによる「客単価増加」が切り札になって行くように思われる。顧客インサイトとしては、「店で食べるとドリンクやサイドメニューなんか頼んで高くついちゃうけど、持ち帰りだと単品買いだから、どうせならいいものを買っちゃおう!」という気持ちになる。一方、店としてはクロスセリング、アップセリングの機会を失うが、前述の通りテイクアウト客は客席を埋めない超高回転客なので、オイシイ客なのだ。

 従来から「中食需要」は高まっていたが、3月11日の大震災以来、「家族と一緒にいる時間を多く取るようにした」「夕食は家族と食べる」などという層の拡大が各種のインターネット調査で浮き彫りになっている。記事写真には東京都世田谷区経堂の店舗が映っている。従来の「坂井精肉店」を改装したものだというが、キャプションには「持ち帰りコーナーにはショーケースを設け、店外から買えるようにする」とあるが、3段の棚がついたガラスケースは本当の精肉店、肉やとんかつ、コロッケなどを売っているお肉屋さんのようである。こうした、飲食店と総菜店のハイブリッド型で、外食客と中食客を同等の比重で狙う店舗は今後も数多く登場するように思われる。「ユナイテッド&コレクティブ」の「サカヰ精肉店」はその先頭を走っているのだろう。

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コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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