6月22日付の日経MJに「フレッシュネス200店全店、面積倍増」という記事が掲載された。サブタイトルは「5年後メド セルフ型に転換」。写真のキャプションには「今後は都心の1等地などに積極的に出店する(東京都千代田区の日比谷店)」とある。さらっと書いてあるが、これって、「別モノ」になってしまうぐらいの大変身ではないだろうか。そんな変身ができるのか?いや、そもそも、その狙いは何だろうか?
しかし、利益=売上-コストだ。売上が上がれば、売上の中の粗利の総額は高くなる。
しかし、コスト面で考えると1つ疑問なのは、1等立地への移行は記事にあるようなセルフ化=店員が配膳をしないという効率化・コスト削減でまかなえるのかということだ。
もう1つの疑問は、客数も増えて回転率が上がる状況で、しかも「セルフ」にして、従来の「つくりたて」ができるのかということだ。オペレーションを変えなければ、カウンターに出来上がるまで客を立たせておくことになる。それを避けるためには、マクドナルド型の「見込み作り置き」をすることになる。そのノウハウが蓄積できていないと、「廃棄率」が上がってさらにコストアップ要因になる。
■現地で確かめてみた!
Facebookで上記の謎を提起して議論したが、解明ができなかったので、日比谷店に行ってみた。
日経MJにある写真の通りの真新しい店舗である。ロケーションは晴海通りに面し、日比谷シャンテに向かう角の文字通り1等地である。
4階建のビル1棟丸々が店舗だ。4フロアのうち4階のみが喫煙席で完全フロア分煙を実現している。従来からの喫煙者のファンを逃がさず、時流通り非喫煙者のニーズにも応える造りとなっている。
日経MJの記事にあった通り、PBグッズがレジ前に並んでいたが、まだアイテムが少なく、これからという感じだ。
1階部分はレジと、その後ろにオープンキッチンがあって、レジに続いて商品受け渡しカウンターとなっている。1階にもカウンター席が窓の方を向いて並んでいるが、繁忙時間には客が背面のレジ~受け渡しカウンター側に並ぶのですこし落ち着けない感じになる。急いで食べて出て行きたい人向けというところだろう。
疑問点の1つであった「作りたて否か」は、前者であった。注文をすると、レシートに「お呼び出しNo.」が印字され、商品受け渡しカウンターに進むよう促される。カウンターにストックはなく、作りたてが渡されるしくみだ。但し、オープンキッチンではハンバーガーのパティが常にざっと10枚ぐらい焼かれており、ある意味での「見込み生産」をしているといえる。
カウンター内はレジ1名、商品受け渡し1名、オープンキッチン内調理スタッフ4名という体制だ。みんなキビキビ動いている。従来点の良くも悪くもユルい感じは微塵もない。マニュアルを1から作り直し、それを徹底していることが伺える。
レジでオーダーし、商品受け取りまでの待ち時間を計ってみた。ちょっと意地悪く「豆腐バーガー」を頼んだので、見込み生産したパティは使えない。待つこと約5分。12時少し前の時間だったから注文が円滑にさばけたのかもしれないが、豆腐バーガーを一から作ったとしては、ストレスなく待てる範囲内だといえるだろう。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。