ロッテリアが店舗の大型化と大規模出店に舵を切るという。狙いはどこにあるのか。また、その戦略を可能としている背景は何だろうか。
記事を読むと、<出店エリアは東京、名古屋、大阪の大都市をはじめ、札幌や仙台市、広島市などの地方都市>とある。さらに、<最大手の日本マクドナルドが抜けた大都市の駅前などを中心>とするという。マクドナルドは昨年、不採算店を400店以上閉鎖した。そこを主に狙っていくというのだ。
日本マクドナルドが不採算として退去した後に、同じ家賃=固定費で経営が成り立つわけがないのが道理だ。「高単価メニューが売れている」とのコメントもあるが、マクドナルドも原田社長兼会長の就任以来、値下げは行っておらず、高単価メニューも充実させている。
ロッテリアは家主との相当の交渉を行う用意があるのだろう。
不動産専門誌の「日経不動産マーケット情報」によれば、専門家は<2011年は都心部の大規模ビルの賃料と稼働率が上昇する一方で、周辺部にあるビルや中小規模のビルは厳しさを増す>という見方だという。(2011年1月19日)まずはマクドナルドが抜けた後の中小規模ビルと家賃交渉をし、地代家賃=固定費を極力下げた出店を行っていく戦略なのだ。
記事には<直近では年5店舗程度を出店しているが、11年3月期にリストラ効果などで黒字化したのを機に、11年ぶりに大規模出店に展開する。今後5年以内に600店体制を目指す方針だ>(日経MJ)とある。
「ここ、昔、マクドナルドがあったところだよね?」というところに、徐々にロッテリアの看板を見かけるようになってくるのは間違いない。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。