【続】プロジェクト・マネジメントの原点

2007.10.22

経営・マネジメント

【続】プロジェクト・マネジメントの原点

猪熊 篤史

池袋ビジネススクールにおけるビジネス&バー(10月のテーマ:オペレーションを改善する!)を終えて、3つのプロジェクト・マネジメントの原点について改めて考えてみたいと思います。

 「プロジェクト・マネジメントの原点」【詳細】において1)目標やコンセプトを明確にする、2)プロセスを事前に描く、3)予期しない出来事に対処するという3つの視点をご紹介しました。先日、池袋ビジネススクールで開催したお酒を交えて話題のテーマについてディスカッション形式で学ぶ「ビジネス&バー」というイベントにおいて私の持説をご紹介しました。今回のディスカッションのテーマは「オペレーションを改善する!」でした。私の持説に特に目新しいことはないと思います。しかし、私が日々の活動を通して実感しているものなので間違っているとも思いません。このような分類の仕方を提唱した以上、その他の要素は、これら3つとの関連で説明していきたいと思います。第4、第5の視点が見つかれば追加を検討いたします。ビジネス&バーでのディスカッションを終えて、改めてプロジェクト・マネジメントの原点について考えてみたいと思います。

 プロジェクトやオペレーションの管理において問題になるのは「人」の問題です。プロジェクトやオペレーションなどというカタカナを使って分かり難ければ、会議の進め方、1日の行動計画、車などの製品を工場で作る工程を思い浮かべて頂ければ分かりやすいことでしょう。これらいくつかの要素(手順)で構成される一連の流れを効率的、効果的に行うのがオペレーションの管理であり、プロジェクト・マネジメントということになります。人がいかに働くか、いきいきと活動するか、無理、無駄、斑なくものごとを進め成果を上げることができるかということが最大のテーマになります。

 これは第1の要素(目標やコンセプトを明確にする)に関係します。経営者やリーダーの目標・目的、あるいは、コンセプトが明確であれば、それを組織を構成するメンバーが共有しやすくなります。一方で、目標やコンセプトが明確かどうかとうのは、非常に曖昧な判断になります。これは、経営者個人して、あるいは、経営チームとしての自己分析の結果でもありますが、目標やコンセプトを共有する社員など組織のメンバーとの適性、適合性がなければ目標やコンセプトが「明確だ」ということにはなりません。一般に明確だと言われる目標やコンセプトに対しても反対意見は出るものです。そのような反対意見を最小化できるような目標やコンセプトが必要です。それは経営者やリーダーの先見性、判断力、人間性、能力の問題でもあります。これらの点を全て加味して明確な目標やコンセプトを描き、それらを組織内で共有することが大切です。プロジェクトチームを編成して組織の目標や目的を末端の社員からボトムアップ型で作成することも目標の明確化や共有のために有効です。

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