パリーグは勝者が決まり、セリーグは激戦中のクライマックスシリーズ。 中でも、落合監督の「仕事」に対する姿勢は感心するものがあります。 プロ野球ファンの一人として、プロ野球の発展を願いながら、監督業を組織論で考えてみました。 前編の続きになります。
「給与だけじゃない!」という声が聞こえてきそうですし、もちろん給与だけじゃないと思います。成員一人ひとりの幸せはなんなのか?を考えていけば。
ただ、ここでは大くくりの「組織」で見ています。
給与を上げるために、会社の業績を第一に考える成員が100%であれば、自ずと風通しも良くなり、会社のドメイン(Z会で言うならば「教育」ですね)において「プロ意識」を醸し出せる(そしてそのことが、成員の幸せに直結する)会社になると思いませんか。
C.常勝軍団に育て上げること。
これも反論が聞こえてきそうですね。
エンターテイメント性が必要だ、などと。
でも、エンターテイメント性を追求しても、弱いチームではお客さんが集まりませんよね。
「プロ」野球を見に来ているんですから、お客さんは。
TVで見ていると「つまらない野球」なのかもしれません。
落合監督の野球は面白くない、と話す評論家もいます。
でも、勝つことが第一なんです。勝てばお客さんが集まるんです。
そこにエンターテイメント性があれば「もっと集める」、それだけですよね。
V9時代の巨人は人気がありました。
今の巨人戦の視聴率は史上最低です。
これは明らかに「常勝巨人ではなくなったから」ではないのでしょうか?
もっともらしい反論があります。
「給与が第一じゃない」
「組織の業績を優先し自部署の業績が悪くなり給与が下がったらどうするんだ」
「勝つことにとらわれて面白味がなくなるのはよくない」
“もっとも”ですね。
しかし…
「そういう場合もあるかもしれない、でも、そうじゃない場合もある。」
一見もっともそうな意見には、必ず比較対象を上げ、考量すべきと思っています。
そして僕は「そうじゃない場合」の方を優先して考えるのが、組織で働く社員にとって大事だと思いますし、A~Cの考えに従った社員集団を機能的に運用する経営者、それも「オーナー」ではなく「雇われ経営者」であれば、とても素晴らしいと思います。
部分的な事象に囚われてはいけないんです。
全体としての普遍的な正しさ、それが何かー
それを求めていくのが経営者ではないでしょうか。
それが「5戦の中で3戦勝てば良い。そのためにはどうするか」と考える落合監督なんです。
以上、落合監督に強烈な個性があるからできることではないですよね。
誰だって、考え方をしっかり自分自身に叩き込み、努力すればできることだと思うんです。
だから、監督が変わっても、急激に組織(チーム)の体力が落ちることはないと感じています。
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