ユニクロが「駅前・平屋型」という新型店舗の展開をはじめた。その狙いはどこにあるのだろうか。
日経MJの記事にある「駅前平屋店舗」は、ユニクロの牙城における、いわば「出城」だ。日経MJの記事では「(運営主体をJR東日本リテールネットとして、駅前の空きスペースに)同社が建屋を含めた設備を用意、従業員も雇用する。ユニクロは商品や販売ノウハウを提供する」と、外人部隊を配置するような格好だ。この外人部隊による出城の展開はかなり機動的だといえるだろう。エキナカや改札外の駅構内では、店舗スペースの確保に制約条件がかかる。しかし、JR所有敷地内の駅前なら、その可能性がさらに広がる。また、雇用の手間もかからない。
ユニクロの旗艦店・都心大型店は高価格帯商品と付随コーディネート商品の購入を狙っている。SC(ショッピングセンター)・駅ビル店では日常衣料、インナーのまとめ買いを狙い。ネットは幅広い品目の購入、いわば「つまみ買い」を誘う。エキナカでは主にインナーやシャツなどの「ついで買い」を促すのだ。つまり、チャネルとして消費者の生活圏に隙間なく「網」をかけているのだ。
今回の「駅前・平屋型新型店舗」という「出城」は、網の目をさらに細かくし、あたかも「面」として塗りつぶす。まさに、水も漏らさぬ、リーダーの全方位出店戦略が展開されはじめたのである。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。