4月6日付・日経MJ記事に「水筒とコーヒー豆」という珍しい組み合わせの共同販促が取り上げられていた。その意図と効果はどのようなものなのだろうか。
提案が実現すれば、両社にとって今までと異なる新たな販売ポイント、様々な企業がしのぎを削り喉から手が出るほど欲しがる「棚」が獲得できる。また、コンビニは水筒のサーモスにとっては従来全く接点のなかったチャネルだ。コーヒーバックはスターバックスがインスタントの棚を確保しているが、キーコーヒーも新たな棚を確保できる。
かつて、ハウス食品が「六甲のおいしい水」を発売した時のことだ。同社は飲料メーカーではなく食品メーカーだ。それ故、小売店の棚を確保することも困難なスタートを切った。そのため、主力商品のカレー売り場の横で「カレーと一緒に」とアピールしたり、ご飯を炊くための水として米売り場の横に置いたりと、徹底したクロスマーチャンダイジング策で普及を図って定番商品の座を獲得したのである。
勝ち残りたければ手を組んで1+1を2以上にする。そのために必要なのは、消費者にとってどのような価値を提供できるかと、流通チャネルがいかにいい商売をできるかという視点なのである。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。