ホームランは無理?!では、「ヒット商品」はどう作る?

2011.01.05

営業・マーケティング

ホームランは無理?!では、「ヒット商品」はどう作る?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 イノベーティブな商品・サービスを世に送り出し、一気に「キャズム越え」を狙いたい。誰しも考えることではあるが、なかなかそれは、ままならぬ。では、2011年をどのように戦えばいいのだろうか。

■環境の変化と顧客ニーズの変化が「引き算」のカギ

 では「引き算」は何を基準に行えばいいのか。昨年12月29日の記事に「ヨーカドー・イオン セルフレジ導入拡大 電子マネー普及が後押し」という記事が掲載された。<ヨーカドーは2012年春までに全体の1割強にあたる20店前後に拡大。イオンは来春までにグループのスーパー(約1,500店)の2割強で使えるようにする>とある。
 世の流れは少子化高齢化・少人数世帯化が加速している。都市部集中も進んでいる。それに対応して、スーパー各社は都市部に小型店舗を投入する。コンビニエンスストアも生鮮品を取りそろえたり、生鮮コンビニを新たに出店したり既存店を転換したりしている。コンビニの武器は、コンパクトな店舗と、とりあえず必要なものが揃う品揃えだ。コンビニが競合として浮上してくる。
 スーパーにおける顧客のニーズ、及びニーズギャップは何か。次第に増えてくるのは「買い物は少量しか買わない」という顧客だ。そこに「少ししか買わないのにレジに並びたくない」「コンビニ並みにスピーディーに買いたい」というニーズが発生する。そこで、バリューチェーンにおける「レジ精算」というプロセスを「引き算」するのである。元々は、スーパーも「清算後に購入商品を袋に入れて顧客に渡す」というプロセス省略し、購入品をカゴに入れたままレジ袋と共に渡すという「引き算」を行っているのだ。再度、市場の変化と顧客のニーズに注目してバリューチェーンを変更しても、いけないことはなにもない。

 各社・各業界が各様のチャレンジを行っている。それは、ホームランは無理でも、ヒットを出すための工夫だ。市場環境は刻々と変化している。その変化球をヒットにせずに、見送りばかりしていたら、「アウト」になるのである。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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