ハンバーガーチェーンのフレッシュネスバーガーが、自社ブランドロゴ入りの生活雑貨を店舗で販売するという。フード業界からの「ライフスタイル事業」へのドメイン拡張ともいえるが、その戦略は伸るのか、反るのか。
ミスドと同様に、魅力的な景品で本業の売上げを押し上げている例として、化粧品通販の「再春館製薬」がある。同社は基礎化粧品を中心とした商品を販売しているが、購入額に応じて顧客にポイントを付与している。ポイントに応じた交換景品としては、サプリメントやヘアケア・ボディーケア品などが多数取りそろえられており、カタログ化されている。どの賞品も「お金を出して買いたい」と思わせる品物だが、同社は「自社のドメインはあくまで化粧品を売る会社」として、販売は行わない方針だという。そして、その賞品が顧客の購入額を押し上げているのも確かだ。
本業の販売量を増す施策を「アップセリング」という。フレッシュネスバーガーの今回のもう一つの狙いである「ブランド力の向上」に関しては、販売ではなく景品として、本業の商品=ハンバーガーと関連メニューの販売量を増やす。利用頻度を高めるという方法も選択肢としてあったといえる。つまり、アンゾフのマトリックスにおいて最も手堅い「市場深耕」である。
フレッシュネスバーガーの店舗数は、現在約200店。その全店に展開するのは来年春だという。どのような結果になるのか、注目したい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。